蔓(ツル)になる植物

蔓植物は、丈夫な茎や幹を作る代わりに、細くて長い蔓を伸ばすことにエネルギーを傾ける。普通の木が、幹を太らせて、一人で立ち上がるのに対し、蔓植物は他人によりかかりながら、さっさと光の当たるところまで出て、葉を広げ、太陽の光を独り占めしてしまう。しかし光の少ないところでは育たない陽樹が多いため、林縁の植物と言える。草本、木本ともにあり、草本でも多年草が多い。他のものを頼る方法に”巻きつき型”、”付着根型”、”巻きひげ型”、”寄りかかり(引掛け)型”などがある。
(白地には草本)

巻きつき型
茎が他の植物の茎(幹)に巻きついて成長するタイプ。右巻きと左巻きがあり、一般に右巻きとは、左手を握ったときの親指の方向に、蔓が伸びる状態を言う。


アオツヅラフジ

アケビ

オオバウマノスズクサ

オニドコロ

キクバドコロ

サネカズラ

サルナシ

ジャケツイバラ

スイカズラ

ツルウメモドキ

ツルニンジン

ヒヨドリジョウゴ

フジ

ヘクソカズラ

ボタンヅル

マタタビ

マツブサ

ミツバアケビ

ムベ

ヤブマメ

ヤマノイモ

付着根型
茎から気根を出し、対象物の凸凹に付着するタイプ。一般にまっすぐ伸びる茎になる。対象の樹を覆うことができないので共存する。耐陰性もある。


イワガラミ

キヅタ

ツタウルシ

ツルアジサイ

ツルマサキ

テイカカズラ

ノウゼンカズラ

巻きひげ型
葉が変化したひげを出し、対象物に絡みつくタイプ。ひげ状にならず葉柄あるいは葉軸が対象に巻きつくものもある。大きくなってしまった木に巻きつくのは難しい。


エビズル

カスマグサ

カラスウリ

サルトリイバラ

サンカクヅル

シオデ

スズメウリ

ノブドウ

ハンショウヅル

ボタンヅル

ヤハズエンドウ

ヤマブドウ

寄りかかり(引掛け)型
単に、他の物に寄りかかりながら、あるいは棘や爪で引っ掛けながら上に向かって成長するタイプ。”巻きひげ型”と同様に、すでに大きくなった木や林で林冠に上るのは難しい。


アカネ

イシミカワ

カナムグラ

クマヤナギ

ツルグミ

ツルソバ

ツルリンドウ

ナワシロイチゴ

ノイバラ

ヤブカラシ