サルトリイバラ |
学名 | Smilax china |
別名 | マンジュシバ、ガンタチイバラ、ガントシ、サンキライ、カシワ | |
猿捕茨 | 分類 | ユリ科シオデ属 (落葉つる性) |
刺があり、猿が引っかかって捕まってしまうことから。地方名の山帰来は、山に捨てられた瘡毒(梅毒)患者がこの根を食べて病気が治り、山から帰って来たことから。 | 原産・分布 | 北海道、本州、四国、九州、沖縄。朝鮮、中国、台湾、フィリピン |
神奈川県 | 全域に普通。海岸から山地まで、林縁、林内に生える。 | |
用途 | 庭木、柏餅、薬用 | |
どこにでもあるが、普段はあまり目立たず気がつかない。冬になると赤い実がとても良く目立つ。古くから生活に密着した植物で地方名が多い。 本種は中国でも自生し中国名は「ばつ葜(かつ)」である。 |
樹 丹沢 不動尻 060129 |
|
茎は固く、節ごとにジグザグに曲がり、まばらに刺がある。この刺は猿を捕らえるほど多くも強くもない。むしろ巻き鬚と同様に、他の木に引っかけながら這い上がるためと思える。 葉柄の基部に托葉の変化した1対の巻き髭がある。 |
蔓 静岡県 大井川 接阻峡 100530 |
|
葉は互生し、葉身は円形または楕円形で縁は全縁。先端は少し尖り、基部は円形となる。質は厚くて光沢がある。3~5主脈。 西日本では、この丸い若葉で端午の節句の餅を包み柏餅とする。そのための地方名も多い。 ★食★ルリタテハ |
葉 小仏山地 石砂山 100516 |
|
雌雄異株。まれに同株があるらしい。花は3~4月に、展葉とともに葉腋から散形花序を出し黄緑色の花を多数付ける。 雄花には花被片が6枚、雄蕊6本がある。 |
雄花 丹沢 仏果山 050417 |
|
雌花には花被片が6枚、仮雄蕊6本、花柱3個がある。 花言葉「不屈の精神、屈強、元気」 花のイメージというよりはツルの強さを表わしている。 |
雌花 神奈川県 高麗山 080429 |
|
果実は球形の液果で、直径8~10mm。赤く熟す。実を食べる地方もあるが、赤い実の例にもれず味がない。 | 実 群馬県 みなかみ町赤谷 091206 |
|
冬芽は偏平な三角形で先は尖る。芽鱗は1枚。前年の葉柄の基部が残り下部を覆っていることが多い。 | 冬芽 山梨県 上野原市 秋山 161108 |
|
春の新芽は赤味を帯びる。前年の巻き鬚が葉柄の基とともに残っている。 写真は花芽と葉芽の混芽。 |
新芽 山梨県 上野原市 秋山 110421 |
|
根は竹の地下茎のように、細長く節くれだっている。細根は節から出ている。生薬は「根塊」とされるが、まだ若い株だから細長いのか不明。 ★薬効★解毒、利尿、むくみ、腫れ物。生薬名は「山帰来(さんきらい)」または「土茯苓(どぶくりょう)」。根茎を日干しにしたもの。主成分はサポニンとデンプンとされる。 中国での「山帰来」、「土茯苓」は同属の別な種を指すが、日本には無いため本種の根塊をもって代用している。 |
根 山梨県 上野原市 秋山 170301 |