陽樹・陰樹・先駆種・極相種

一般的に植物により育つ環境への好き嫌いが異なる。大まかには、明るい日の当たる場所を好む種(陽樹)と、日陰の場所を好む種(陰樹)、それらの中間の性質をもつ植物に分けられる。
日当たりの良い場所を好む種の中には、土砂崩れや造成などで新しく開けた場所に、他の種に先がけて発芽、成長するものがあり、先駆種(パイオニア種)と呼ばれている。先駆種は寿命が短く数十年で枯れるものがある。先駆種の陰では陰樹として遅れて育つが、成長した結果林冠を構成しても枯れることのない種がある。同じ種の世代交代で安定した状態の森林を維持できる種を極相種と呼ぶ。十分に長い年月(数百年)を経て成立し、安定した状態の森林を極相林と呼ぶ。

代表的な先駆種は以下。
アカメガシワ
アキグミ
エノキ
オオバアサガラ
カラスザンショウ
キリ
クサギ
ケヤマハンノキ
シラカバ
ダケカンバ
タラノキ
ヌルデ
ネムノキ
ノリウツギ
ヒメヤシャブシ
ヤマネコヤナギ

先駆種の一般的な特徴は以下の通り。
・種子が小さく数が多い。
・種子の散布は風散布が多い。鳥散布もある。
・種子の寿命が比較的長く、環境条件が合うまで土に埋もれている(埋土種子)。
・葉が大きい(あるいは大型の羽状複葉)。
・成長が早い。
・寿命が短い。