クサギ |
学名 | Clerodendron trichotomum |
別名 | クサギナ、クサギリ、トーノキ、トリバ、 臭梧桐、臭牡丹樹(中) |
|
臭木 | 分類 | クマツヅラ科クサギ属 (落葉小高木) |
葉や茎を傷つけると、嫌な匂いがすることからの名。 | 原産・分布 | 北海道、本州、四国、九州、沖縄。中国、台湾、朝鮮。 |
神奈川県 | 全域に普通に分布する。 | |
用途 | 特に無し(ヨーロッパでは鑑賞用に栽培される。) | |
特に新しく開けた土地に、初めに芽吹いて大きくなる先駆種の一つ。丹沢の林道脇でも、街中の駐車場の片隅にでも生えてくる雑木。 樹形は不整で、枝は横に広がる。樹形が暴れるためか日本では庭木で見たことが無い。 枝や葉の上を、花が一面覆うさまは綺麗。甘い芳香があたりにただよい、鑑賞にも耐える。ヨーロッパでは庭木などにされるという。 |
樹 丹沢 水の木 040718 |
|
樹皮は暗灰色〜灰褐色で皮目が縦に並ぶ。成木になると鱗片に剥離する。 ★食★コウモリガ |
若幹 横浜市 港北区 080213 |
|
葉は対生し、葉身は3角状心形あるいは広卵形。縁には低い鋸歯がある。若い枝や葉脈上に軟毛がある。 傷を付けると、青臭い臭気があので名がついた。不快感の程度は人によって違いがある。 ★薬効★リウマチ、下痢、高血圧。民間療法。小枝ごと葉を切り取り日干しにしたものを煎服する。葉に殺菌作用があるので、腫れ物などの洗浄に使用した。 |
葉 横浜市 根岸森林公園 040507 |
|
花序は枝の先に集まり、多集散花序となる。8〜9月に白色〜紅色の花を樹冠に咲かせ甘い香りを出す。チョウ類の蜜源になる。 花言葉「運命、治療」 学名の属名(運命の木)からの言葉。 ★蜜★スズメガ、コスズメ、オオスカシバ、カラスアゲハ、クロアゲハ |
花 横浜市 港北区 050730 |
|
両性花であるが雄性先熟性で自家受粉を避ける工夫がある。雄性期には雌しべが、雌性期には雄しべが、それぞれ下に垂れている。 雄しべは4本、長く花外に突き出し、葯は黒紫色。 |
花序 横浜市 港北区 030618 |
|
核果は丸く、熟すと碧色となる。赤い部分は萼。花後も残り、赤く平開したもの。 鳥は赤い色と青い色に弱い。先駆樹種は一般に風散布の種子が多いが、クサギは鳥による被食散布に分類される。 ★染★果実を藁の灰汁で煮出すと浅青色(はなだ色)の染料ができる。 ★食★アカハラ、カラス、キジバト、シジュウカラ、ジョウビタキ、ツグミ、ヒヨドリ、ムクドリ |
実 丹沢 水の木 041017 |
|
一年枝は、灰褐色〜紫褐色でやや太く、先の方に縮れた毛が残る。もともと南方系の木のためか、冬芽は裸芽で小さい。 | 冬芽 神奈川県 二宮町 060122 |
|
葉痕は冬芽に比べると大きく、長円形で横を向いて突き出る。面白い顔に見える葉痕は多いが、これはタコの吸盤か。それでも何となく面白い。 | 葉痕 神奈川県 二宮町 060122 |
|
新芽は赤味を帯び、軟毛が密生している。 ★食★若葉は、山菜になる。加熱すると臭気が消える。天ぷらにすると美味しい。 |
新芽 横浜市 港北区 篠原園地 080326 |