ヤマネコヤナギ |
学名 | Salix bakko |
別名 | バッコヤナギ、サルヤナギ | |
山猫柳 | 分類 | ヤナギ科ヤナギ属 (落葉高木) |
山に生えネコヤナギに似ているため。学名にもなっているバッコとは、種子の綿毛から東北地方の方言で婆さんの意とする説と、ベコ(牛)が花を食べるのでベコヤナギがなまったとする説がある。 | 原産・分布 | 北海道(西南部)、本州(近畿以北)、四国。 |
神奈川県 | 丘陵から山地まで普通に生える。 | |
用途 | 器具、縄(樹皮) | |
ヤナギ科の木は、一般に湿った地を好が、ヤマネコヤナギは日当たりの良い、やや乾燥した山地を好む。樹高は、5〜15mになり、胸高の直径が60cmになるものもある。 ヤナギの仲間はどれも代表的な先駆種である。 早春に明るい黄色に咲く花は目立つ。大きな花はまだエサの少ない春先に鳥や動物たちの食料にもなる。サルが枝につかまり花を食べるのをよく見る。別名のサルヤナギはそこから。 |
樹 群馬県 みなかみ町赤谷 070408 |
|
樹皮は暗灰色で、古くなると縦に不規則に割れ目がはいる。 樹皮は上部なので、縄の代用にした。 |
幹 丹沢 水の木 050619 |
|
葉は互生し、葉身は革質で、楕円形または長楕円形。縁は波状で、全縁か微凸鋸歯がある。表面は深緑色で無毛、葉脈が凹み、やや光沢がある。裏面は粉白色で縮毛が密生する。 | 葉 群馬県 みなかみ町赤谷 070708 |
|
雌雄異株。 展葉より先に尾状花序を出す。雄花序は楕円形で、葯は黄色。熟すと長さ4cm前後、径3cmほどになる。ネコヤナギに似る。 花言葉「悲哀、哀悼」 |
雄花 群馬県 みなかみ町赤谷 070408 |
|
雌花序は楕円形で3cm前後になる。子房には白色の短毛が密生するため全体が毛深く見える。柱頭は2裂し淡黄緑色。 | 雌花 群馬県 みなかみ町赤谷 070408 |
|
雌花序は受粉後に長くなり9cmほどの果序になる。果実は刮ハ。まだ黄色い柱頭が残る。 | 若い実 群馬県 みなかみ町赤谷 100502 |
|
熟すと個々の刮ハが2裂し、綿毛をまとった種子を出す。果序は写真のように綿毛に覆われる。写真左の白い綿毛の中に1.5mmほどの線状長楕円形の種子がある。風で遠くまで飛ばされる。 | 種子 秋田県 鳥海山 100626 |
|
冬芽は楕円形で大きい。赤褐色の芽鱗は2枚が合生している。 | 冬芽(花芽) 群馬県 みなかみ町赤谷 071202 |
|
枝の皮を剥くと裸材に隆起した線がある。ヤマネコヤナギの特徴の一つ。 | 枝の隆起線 秋田県 鳥海山 100626 |