オオバアサガラ 学名 Pterostyrax hispida
別名 アサガラ、イモノキ、タニアサ
大葉麻殻 分類 エゴノキ科アサガラ属 (落葉高木)
同じ仲間のアサガラより葉が大きいため。アサガラは枝が折れやすく、皮が糸状に剥げることを、麻の茎に例えたもの。 APG分類 エゴノキ科アサガラ属 (落葉高木)
原産・分布 本州、四国、九州
神奈川県 丹沢、箱根、小仏山地に分布。谷筋に多い。
用途
山地の渓流沿い、林道沿いに多く生える先駆種の樹木である。丹沢でも林道や登山道を歩いていると、淡褐色の幹に、大きな葉のついた若木を多く見る。先駆種の中では長寿で樹高10mの大木にもなる。

ニホンジカの不嗜好植物のためにオオバアサガラのみが繁殖していることがある。その場合でも日照などの条件があるためか、そのまま大きな純林になることはないようだ。


丹沢
塩水沢
050816
オオバアサガラ樹
花期の樹

上野原市
秋山
140609
オオバアサガラ樹
林道脇の若い樹

上野原市
秋山
180502
オオバアサガラ樹
若い幹や枝は淡褐色だが、成木の樹皮は縦皺のある淡黒色になる。
名前のように材がもろいための地方名が多い。役に立たないように見えるが、地方名が多いのは花が綺麗だからだろうか。どんな木にも何か取り柄がある。


丹沢
塩水沢
040802
オオバアサガラ幹
葉は互生し、葉身は広楕円形または広倒卵形で10cm以上の大型。先端は短く尖り、縁には細かい鋸歯がある。

葉表は緑色で、わずかに星状毛がある。葉裏は葉脈が凸出し脈上に毛がある。


丹沢
箒沢
080517
オオバアサガラ葉
葉先


丹沢
箒沢
080517
オオバアサガラ葉
葉脚


丹沢
箒沢
080517
オオバアサガラ葉
6月に、1年枝の枝先に複総状花序を下垂し、白い花を多数つける。支花軸は主軸から螺旋状に開出する。

花冠と雄蕊は基部まで離生する。雄蕊は10本で花冠より長い。

花だけ見ると綺麗で豪華でもある。エゴノキと同様に庭木になりそうだがその例を見ない。樹が先駆種で成長が早く、樹形が単調なためか。


丹沢
三ケ瀬川
100624
オオバアサガラ花


丹沢
三ケ瀬川
070603
オオバアサガラ花


丹沢
三ケ瀬川
100624
オオバアサガラ花


丹沢
三ケ瀬川
100624
オオバアサガラ花
果実は9〜10月に熟し、淡褐色の毛を密布する。狭倒卵形で10陵ある。
エゴノキの仲間ではあるが、種子は風散布の形状に近い。


丹沢
日陰沢
080925
オオバアサガラ実
冬芽の芽鱗は、薄くて早く落ちる。裸芽の状態で冬を越す。星状毛が散生する。 冬芽

丹沢
境沢
060223
オオバアサガラ冬芽

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