堅果

いわゆるドングリと呼ばれる果実を、分類上は堅果と呼ぶ。堅い革質の果皮に1個の種子が包まれている。多くの場合、果皮の外側に苞が発達してできた殻斗(いわゆるドングリの帽子)があり、未熟の間は果実全体を包んでいる。種子が熟すと、果実全体が殻斗から離れ落下する。
ブナ科やカバノキ科に多い。


クリ(ブナ科)の実。トゲトゲのイガが殻斗。
1つの殻斗に複数の果実が入っている例。


ドングリの代表コナラ(ブナ科)の実。丸い帽子が殻斗。
殻斗の模様により仲間が異なる。


ツノハシバミ(カバノキ科)の実。毛の生えた鞘が殻斗。


クマシデ(カバノキ科)の果苞と堅果。
一見、ドングリには見えないので痩果や翼果と間違えそうな堅果。

堅果を作る植物の例は以下。
アカガシ
アカシデ
アラカシ
イヌシデ
イヌブナ
ウバメガシ
オオバヤシャブシ
クヌギ
クマシデ
クリ
ケヤマハンノキ
コナラ
サワシデ
シラカシ
スダジイ
ツノハシバミ
ハンノキ
ブナ
マテバシイ
ミズナラ
ヤシャブシ

参考 果実の構造と分類

一般的な果実の構造を模式化したのが下の図です。

花の構造として、雌しべの基部に子房があり、子房の中には胚珠があります。受粉後に胚珠が発達して種子になり、子房が果実になります。
果実の構造は外果皮、中果皮、内果皮が種子を包んでいます。種子の構造は外種皮、内種皮があってを包んでいます。は将来発芽すると新しい植物体となる大切な部分です。それぞれの果皮、種皮は明確に分かれていない場合もあるようです。

一般的な分類方法は、熟したときに果皮が乾いているものを乾果、多肉質になるものを多肉果とし、それぞれ形状によって次のように分類されています。
◎乾果 ⇒(裂開する) 袋果、豆果、刮ハ、蓋果、長角果、短角果
      ⇒(裂開しない) 痩果、穎果、翼果、堅果、節果、分離果
◎多肉果液果、ウリ状果、ナシ状果、ミカン状果、核果
他に複数の雌しべや花が元になり果実が集まった形状を集合果複合果として分類されます。