スダジイ |
学名 | Castanopsis cuspidata var. sieboldii |
別名 | イタジイ、ナガジイ、シイ(ツブラジイと併せて) | |
(漢字無し) | 分類 | ブナ科シイノキ属 (常緑高木) |
不明。 | 原産・分布 | 本州(福島県〜佐渡以南)、四国、九州、沖縄、済州島 |
神奈川県 | 丹沢、箱根、小仏山地以外で普通に見られる。 | |
用途 | 庭木、防火・防風林、建築・器具・船舶材、椎茸の原木 | |
暖地の海岸沿いの山地に多い。神奈川の潜在植生の代表。 樹高は25mになり、よく枝分かれし、多くの葉をつけ、樹冠は球状に盛り上がる。庭や公園などに、よく植えられる。 写真は満開の雄花。 |
樹 藤沢市 六会日大 050510 |
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心材は腐朽しやすい。葉が多く付いている枝でも、内部は空洞だったりする。 写真は迷子椎の名で呼ばれ保護されている樹齢数百年の古木。幹周り7.5m、樹高15m。 |
巨樹 東京都 三宅島 110122 |
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樹皮は黒褐色で、老木になると縦に深く裂け目ができる。 | 幹 神奈川県 二宮町 040125 |
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葉は互生し、葉身は広楕円形。質は厚く革質。表面は深緑色だが、裏面は灰褐色で、鱗片状の毛を密生する。縁は全縁か、上半部に鈍鋸歯がある。 | 鋸歯葉 横浜市 岸根公園 030126 |
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雌雄同株、雌雄異花。 5〜6月に、淡黄色で長さ8〜12cmの尾状花序が本年枝の下部から、上向きに出て雄花をつける。雌花序は本年枝の葉腋から上向きに出る。写真の雌花序は、まだ小さい。 |
雄花 藤沢市 六会日大 050510 |
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堅果は翌年の秋に熟し、円錐状卵形で食べられる。熟すと殻斗が3つに裂ける。 | 実 横浜市 中区 山手 090925 |
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ドングリの子葉は地上に現れない、地下子葉性のものが多い。スダジイも子葉は見えず(ドングリの中)、小さな赤味を帯びた4枚の本葉が、展葉している。 常緑樹は、春の芽の動きが遅く、発芽も落葉樹と比べると1か月前後遅い。スダジイは中でも早い方に思える。 |
実生 東京都 辰巳公園 180414 |
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ブナ科の冬芽は通常小さいが、春が近づくと膨らんでくる。頂生側芽を作りやすく、他の側芽も頂芽と同程度に大きい。 下の写真のように、枝先の複数の芽が伸びることで枝分かれが起きる。 |
冬芽 東京都 海の森 160227 |
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典型的な枝の成長の様子。 写真上部にある掌のような枝分かれは、1年前に枝先の7つの冬芽が一斉に成長した跡。その年に各枝に雌花序がつき、成長した2年目のドングリの子供が白く見える。今年はほとんど枝分かれしないで新しい枝が伸び、各枝に今年のドングリの赤ちゃんがついている。 スダジイの葉の寿命は1年半前後であることが分る。 |
枝の成長 東京都 辰巳公園 180609 |