地下子葉性

被子植物の双子葉類の多くは、その名の通り本葉が出る前に、子葉(双葉)が地上に出てきます。子葉は種子の中に用意されていて、本葉を展開させるために光合成を行い栄養分を補います。
ブナの実生の写真です。

ウチワのような双葉と、展開したばかり本葉がわかります。このように子葉が地上に現れるタイプのことを地上子葉性と呼びます。一方で子葉が地上に現れないタイプがあり、それを地下子葉性と呼んでいます。
地下子葉性の植物の子葉では光合成を行えないので、その子葉には葉緑素がありません。その代りに豊富な養分を親から譲り受けていて、一般に大きな種子になります。ドングリの仲間やマメや核果(ウメやモモなど)がそうです。
ブナの仲間のシラカシの実生の写真です。

双葉は見えずドングリが地面の中にあります。構造としてはドングリの中に子葉が入っているので地下子葉性と呼ばれます。地下の子葉の栄養を使って本葉を展開し、本格的に光合成を始めるわけです。
地下子葉性の種子は大型で、そうでない植物より進化した形と考えられています。つまり、より少ないエネルギーで子孫を残すことができるようになったとされています。種子の散布の方法としては動物による貯食型散布になります。

地下子葉性の植物には次のものがあります。
アラカシ
イチョウ
ウバメガシ
ウメ
オニグルミ
クヌギ
クリ
コナラ
シラカシ
スダジイ
トチノキ
ビワ
マテバシイ
ミズナラ
ムクロジ
ヤブツバキ