イチョウ

学名 Ginkgo biloba
別名 ギンナン
公孫樹、銀杏、白果、鴨脚(中)
銀杏、公孫樹 分類 裸子植物イチョウ科イチョウ属 (落葉高木)、有毒植物
中国名の鴨脚の、宋代の音「イーチャオ」が訛ったとされる。葉が、鴨の水掻きのある足に似ているから。別名ギンナンは銀杏の読み。学名のGinkgoは、誤記をリンネが採用したため。正しくは銀杏(GinkyoあるいはGinkioか)。 APG分類 裸子植物イチョウ科イチョウ属(落葉高木)
原産・分布 中国原産 (13〜14世紀頃の渡来とされる)
神奈川県 神社、公園、街路に広く植採される。有名な大木は、鎌倉八幡宮(推定樹齢800年)、茅ヶ崎鶴嶺八幡(推定樹齢950年)がある。
用途 街路・公園樹、碁盤、将棋盤、器具・建築材
中生代から新生代第三期までにわたる先祖の化石が、世界中で見つかっているが、100万年ほど前からの化石の記録が無い。10〜11世紀頃に中国南部で実物が再発見され、18世紀には再び世界に広まった。
1科1属1種で仲間はいない。化石植物とも言われる。中国南部に自生地とされる集団はあるが定かでない。
丈夫で、長命。幹は直立し、樹高30mになる。よく分岐し、萌芽力もある。
寺社の古木

横浜市
港北区
180909
イチョウ幹
樹皮は淡灰褐色で、縦に浅く割れ目ができる。
枝の付け根から、乳と呼ばれる気根が出ることがある。
材は黄白色で柔らかく緻密。碁盤、将棋盤、木地材、彫刻材などに使われる。樹脂細胞が無いので俎板に最も適した木とされる。
幹・気根

港区
自然教育園付近
040730
イチョウ幹    立川市昭和公園 050306    神奈川県二宮町 220616 
イチョウ(鴨脚)の語源となった葉。中央の切れ込みは、写真の様に大きいものから、ほとんど無いものまで、変異がある。
葉脈は基部から数回二分岐して葉の縁まで達する二叉分岐脈。
★薬効★しもやけ、冠動脈硬化による心臓病。民間療法。
★食★クスサン


世田谷区
瀬田
040428
葉を透かして見るとニ叉分岐葉脈の様子がよく分かる。 二叉分岐
横浜市港北区
200429
雌雄異株
短枝から数枚の新葉とともに、数個の花序が出る。雄花は長さ2cmほどの尾状花序。花被は無く、雄しべが多数つくのが見える。
成長が遅く、結実するまで年月がかかるとして、中国名「公孫樹」は公(祖父の意)が植えて孫が実を採る木の意味。
★花粉散布★風媒。
雄花

新宿区
代々木公園
120415
裸子植物であり果実は無い。つまり果実のように見えるが、枝には黄色い種子がそのまま下垂する。
柔らかく悪臭のある部分は外種皮で、硬い中種皮と薄い内種皮以下を食用にする。
★毒★外種皮にフェノール性物質を含み、皮膚がかぶれる。
★種子散布★有毒の外種皮が無くなれば動物による貯食型散布が考えらる。ネズミやタヌキ、カラスなどが食べる。
種子

杉並区
荻窪
100918
中種皮は白く2〜3本の綾線がある硬い殻。内種皮は褐色あるいは銀白色で箔膜。中種皮は外からの圧力には強いが、発芽時の内側からの力には軽く割れる。
実生は、双葉が地上に出ない地下子葉性
★薬効★鎮咳去痰、夜尿症。生薬名「白果」または「銀杏」。中種皮を取り去った仁。青酸配糖体を含むため、大量摂取すると青酸中毒をおこす。
銀杏

スーパーで売っていた
160226
動物による散布とは思えない実生がよく見つかる。クスノキの根元にイチョウの実生が密集していた。
2番目は大きなイチョウの木の下の一面の実生。実が落下し、外種皮が無くなり一斉に芽生えたのか。
実生

千代田区日比谷公園
160624
    一面の実生。二宮町 220616
鮮やかに黄葉することでも知られている。横浜の保土ヶ谷公園には、見事なイチョウ並木がある。秋にはライトアップをしている。イチョウの黄葉は地上も黄色い絨毯にする。ただし油分を含み、雨に濡れると滑りやすくなる。 黄葉

横浜市
保土ヶ谷公園
071205
イチョウ幹    横浜市保土ヶ谷公園 071205    東京都上野の森 191204    横浜市保土ヶ谷区  071205
長枝から、短枝が直角に突き出る。短枝の先には、半球形の頂芽がある。
冬芽の周りをよく見ると昨年の葉痕が多数見える。短枝の成長具合を推測することができる。
冬芽

立川市
昭和公園
050306
    1年目の枝。東京都海の森 160227    2〜3年目の短枝。8つの葉痕が平面上に残っている。横浜市緑区 100126    3〜4年目か?。短枝の形ができてきた。東京都海の森 160213
春、一斉に短枝の先から芽吹く。 芽吹き

丹沢
七沢
080412
イチョウ幹

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