オニグルミ |
学名 | Jaglans mandshurica |
別名 | オグルミ | |
鬼胡桃 | 分類 | クルミ科クルミ属 (落葉高木) |
クルミの語源は、くるくる回るから、とか黒い実の意味などあるが、不明。近縁のヒメグルミに比べ、核の部分が固く、凹凸が大きいためにオニの名がついた。 | 原産・分布 | 樺太、北海道、本州、四国、九州 |
神奈川県 | 丹沢、箱根のブナ帯を除き広く分布している。 | |
用途 | 建築・家具材、銃床、食材 | |
川沿い、あるいは適湿な地によく生える。枝は太く開出する。 アレロパシー(他感作用)のため、クルミの木の下では、他の木が育たない、と言われる。この写真は、何かの理由で空いた空間を、オニグルミが占有していた。 クルミのアレロパシー物質は「ユグロン」と言う物質であることが分かっている。無差別かと言うと、ササ類やハルニレは樹冠下に生育できるらしい。面白いことに、昆虫のニレキクイムシには阻害物質だが、クルミのキクイムシ類には無害とか。その選択性に、どのような意味があるのだろうか? |
樹 群馬県 みなかみ町 赤谷 050904 |
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樹皮は暗灰色で、縦に大きく割れ目が入る。若枝には黄褐色の軟毛が密生する。 材は狂いが少ない。「こぼれ話し」参照 |
幹 丹沢 塩水川 050515 |
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展葉期の枝先。葉は枝の先端だけで芽吹いている。下の葉痕上部には雄花の蕾が膨らんでいる。よく見ると、側芽はすべて雄花になっているようだ。 | 新芽 厚木市 自然保全センター 080413 |
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葉の開出とほぼ同時に開花する。雌雄同株で、雄花と雌花がある。雌花は、頂芽から穂状の花序を直立させる。褐毛を密生し、苞の中から、赤い花柱が出る。 | 雌花 丹沢 塩水川 050515 |
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雄花序は、前年の葉腋から垂れ下がる。長さは10〜30cmで、多数の雄花が下向きに開く。 | 雄花 丹沢 塩水川 050515 |
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葉は互生で、奇数羽状複葉。小葉は対生で4〜10対あり、卵状長楕円形で星状毛が多い。 葉軸には軟毛、星状毛、腺毛がありべとつく。 |
葉 厚木市 自然保全センター 050515 |
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秋になると大きな穂状果穂を枝先につける。果実は約3cmで、苞を含むため偽果と分類される。9〜10月に熟す。熟しても破れることなく落果する。果皮にはタンニンが含まれ、その液汁は黒色の染料になる。また、魚毒としても利用されたらしい。 | 若実 丹沢 丹沢湖 050619 |
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固い核(内果皮)の中の種子は食べることができる。 種子は大部分が子葉で胚乳が無い。脂肪に富み美味で、菓子や料理に使われる。リスや野ネズミなどの、動物の重要な食料にもなる。 ★薬効★疲労回復、滋養強壮、咳。生薬名「胡桃仁(ことうにん)」。クルミの実(子葉)そのものを指す。 |
若実 丹沢 丹沢湖 050619 |
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1年枝は太く、縦長の皮目があり、先端が有毛。冬芽は、裸芽で黄褐色の毛で覆われる。 冬芽が裸芽のためにオニグルミは乾燥に弱く、谷筋が主な生育地とされる。 |
冬芽 横浜市 港北区 070112 |
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側芽の下部には、大きな葉痕があり、サルの顔に見える。 | 葉痕 横浜市 港北区 070112 |
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地下子葉性であり、子葉は見えない。 | 芽生え 千葉市 小倉の森 160421 |
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こぼれ話 「銃床」 クルミの仲間の材は、固く滑らかで狂いが少ない。どこの国でも、昔から銃床として使われたらしい。明治36年刊行の「大日本有用樹木効用編」には、「材は小銃の臺木に適当し銃臺としてはこの材に優るものなし。故に北海道の南部および内地の山中より盛んにこの材を切り出し、かつ外国よりも多くこれを輸入す。」とある。 かつては平時に植樹され、戦争になると伐られるという悲しい歴史を繰り返した。 しかし現在では、国産のクルミ材は色や木目が綺麗でないなどの理由で、ほとんどが輸入材が使われているようだ。写真は北斗商事のホームページより。 |