トチノキ

学名 Aesculus turbinata
別名 ウマグリ
橡(中)
Horse chestnut(英)、Marronnier(仏)
栃の木、橡の木 分類 トチノキ科トチノキ属 (落葉高木)
縄文時代からの有用樹で、朝鮮語での実の呼称が語源。漢字の栃も和字で、十千(トチ)=万とし実が多いことからと言われる。別名のウマグリは、英名の直訳。仏名はマロニエ。 原産・分布 北海道、本州、四国、九州
神奈川県 丹沢、津久井、三浦半島(基部)の山地に自生。植栽も多い。
用途 公園・街路樹、建築、器具、楽器材
山地の谷間に自生する。大きいものは高さ35m、直径4mにもなる。枝を横に大きく広げるため、樹冠は広円形となり見事。
初夏には多くの花をつけ、山を彩る。


群馬県
みなかみ町赤谷
050604
トチノキ樹
樹皮は灰褐色から黒褐色。老木では不規則に割れ目ができ、大きく剥がれる。剥がれた跡は波状になる。
材は、ひび割れが少なく、削り面が綺麗なため、器具やすり鉢の最高材とされる。
老木幹

群馬県
みなかみ町赤谷
060401
トチノキ幹
展葉は他の樹と比べ遅い。子供の手のような葉が出てくる。 展葉

藤沢市
六会(植栽)
050415
トチノキ新葉
葉は対生し、10〜20cmの長い葉柄があり、葉身は大型の掌状複葉となる。小葉は5〜7枚、倒卵状長楕円形で、縁はやや波状で低い鈍鋸歯がある。小葉柄は無い。
山道を歩いていて、「おや」と思うほどの大きさの葉は、ホオノキとこのトチノキ。最近は街路樹としても多く植えられている。


横浜市
都筑区(植栽)
030704
トチノキ葉
雌雄同株
5月頃、枝先に雑居性の、大型の円錐花序を直立し、雄花両性花を付ける。両性花の数は、多くはないようだ。蜜蜂の蜜源として重要。
イギリスでは、栃の花が咲くころの日曜日を、チェストナッツ・サンデーと呼び、日本のお花見のように、花を愛でるとか。
花言葉「贅沢、豪奢、健康」


新潟県
村上町
猿田川
070525
トチノキ花
果実は倒卵球形。熟すと3裂して、光沢のある赤褐色の種子がはぜる。
一見クリの仲間のドングリ(堅果)に思えるが、分類上は刮ハになる。つまり茶色の部分は果皮で、中から出てくるものが種子である。堅果では前者が総苞、後者が果実。


藤沢市
六会(植栽)
050801
トチノキ実
トチの実(種子)は、サポニンという毒成分を含んでいるために苦く、リスもクマも好んでは食べない。ネズミが土中に貯蔵するのは確認されている。
人間はアクを抜き栃餅などにして食べる。多量のデンプンや、脂質を含むので栄養豊富。縄文時代からの文化である。→こぼれ話「虫歯」
★薬効★しもやけ、水虫、たむし(民間療法)。
種子

群馬県
みなかみ町赤谷
トチノキ
黄葉は、単なる枯れ葉と紙一重の場合もあるが、それでも光を浴びるときれいに輝く。標高1300mの登山口の近くにある大木。 黄葉

長野県
安曇野市
常念岳
160927
小枝が太く、頂芽も大きい。冬芽は多数の芽鱗に包まれ、樹脂を出して良く粘る。葉痕は大きくハート形〜腎形。
この葉痕を、馬の蹄の跡と見て、この木を馬栗と呼んだのかもしれない。
冬芽・葉痕

立川市
昭和公園050306
トチノキ冬芽

樹木の写真Top