自然公園指導員日誌(2005年11月26日)

 

丹沢の、最後の紅葉を見るために大室山に登った。大室山は、山梨県との県境の尾根筋にあり、北に道志川を見下ろせる。丹沢大山国定公園の西のはずれに丹沢湖があり、丹沢湖には東西と北から支流が流れ込む。北から流れ込む川が中川で、中川の源頭が大室山である。以前、丹沢の沢でヤマメを追っていた頃、この中川にもよく来た。中川温泉を過ぎると、何も無い林道だったが、最近は河原に、整備されたオートキャンプ場が続いている。少なくとも本流は釣りの雰囲気ではなくなった。それでも、車止めの用木沢出会いまで行くと、ぐっと山の懐に入った気がする。

 

11月26日(日) 用木沢出合 〜 白石峠 〜 加入道山 〜 大室山 〜 犬越路 〜 用木沢出合


丹沢湖を回って、中川に入るのは久しぶりだった。途中は順調で、家から2時間で、用木沢出会いまで着くことができた。
車止め手前のスペースに車を置き、白石沢の林道を歩き始める。

左:白石沢で迎えてくれた紅葉  右上:白石沢林道  右下:冬でも予約すれば泊めてくれる、箒沢山の家
白石沢沿いは、白石峠まで紅葉の百花綜覧だった。そのおすそ分けをいくつか。

左:チドリノキ 中:オオモミジ 右:メグスリノキ

左:イロハモミジ 中:種不明 右:コハウチワカエデ
今回は倒木があったらできるかぎり、取り除いていこうと思い、折り畳みの剪定ノコを持ってきた。基本的には、枯れている(枯れるのが明白)、通過するのに大きな障害である、切って取り除く以外方法がない、場合に実施するつもりだった。3箇所で、ノコを出すことになった。
左:施工前
右:施工後
岩と笹の葉の間がルート

白石峠の手前で、樹皮が異様に剥がれている木があった。クマの爪の跡にしては、チョット大きすぎるし、樹皮を剥ぐ理由が分からない。近くには別の剥がされた木もあった。何だろう。
後日、やはりクマの仕業だと知った。クマ剥ぎと言い、興奮するとやるそうだ。人がやられたら、本当にひとたまりも無さそうな爪痕である。


左:大きな爪痕が残る樹皮
上:樹皮を剥がされた木
白石峠から加入道山、大室山への尾根筋は、もう冬の色だった。








左上:白石峠 東海自然歩道のサブルートになっている。
左下:加入道山山頂 左に加入道避難小屋の屋根が見える。
右:大室山山頂

加入道山が11時20分。寒いので小屋の中で昼飯を食べた。小屋にはノートが置いてあり、指導員も時々寄って書き込みをしていた。丹沢の避難小屋は、どこも綺麗にされていて気持ちがよい。
尾根筋の冬景色の中から、木の実と冬芽をいくつか写真で紹介する。

上左:ナナカマド 上中:カマツカ 上右:ツルウメモドキ
下左:ヤマグルマ 下中:トウゴクミツバツツジ 下右:サラサドウダン
大室山から犬越路を経由して下ってくると、再び紅葉が出迎えてくれる。

左:オオモミジとイロハモミジ? 中:コバノガマズミ 右:エンコウカエデ
今回、途中で出会った動物たち。

左:ニホンジカ 中:キセキレイ 右:ホオジロ

 

 

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