ヤマグルマ |
学名 | Trochodendron aralioides |
別名 | トリモチノキ | |
山車 | 分類 | ヤマグルマ科ヤマグルマ属 (常緑高木) |
山地に生え、雄しべや枝・葉が、車の輪のように付くのでヤマグルマの名。学名も、「車輪の木」の意味。 | 原産・分布 | 本州(山形県以西)、四国、九州.沖縄。朝鮮、中国南部、台湾。 |
神奈川県 | 丹沢、箱根のシイ・カシ帯上部〜ブナ帯に生える。 | |
用途 | 古)器具材、鳥もち。 | |
谷沿いの岩場や崖に生える。枝はやや輪生状に出て太く、先に輪生のように葉を付ける。 丹沢では、急傾斜地や崖に多く、あまり人目につかないかもしれない。写真も撮りにくく、花や実のアップが撮れない。常緑なので冬に気付くことが多い。 |
樹 丹沢 長尾尾根 060223 |
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樹皮は灰褐色で平滑、縦長の皮目が多い。 ヤマグルマの樹皮から鳥もちを作るので、トリモチノキの別名がある。樹皮を数カ月、水に浸して組織を腐らせ、水を加え臼でつき、繊維組織を取り去ると鳥もちができるとされる。 |
幹 丹沢 丹沢山 050320 |
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枝の先端に花をつける性質の樹の特徴で、枝がターミナルブランチングの形状になる。花をつけた枝先には芽が無いので、新しいシュートを伸ばすことができない。代わりに側芽が芽吹きシュートを伸ばす。 |
枝 丹沢 丹沢山 050320 |
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葉身は倒卵形で、先が尾状に尖る。質は厚く、表面は濃緑色で光沢がある。この質感と形は独特で、他には無いように思う。縁は上半分に鋸歯がある。 | 葉 丹沢 天王寺尾根 050817 |
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春の新芽の膨らみはタブノキのそれに似ている。よく見ると細長い膨らみと卵のように丸い膨らみの違いがある。丸い方が花芽を含んだ芽と思える。 | 芽吹き 丹沢 菰釣山 080504 |
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5月に、枝先に総状花序を出し、黄緑色の花を多数つける。ヤマグルマの花は、花被片(花弁や萼)が無い。 同様に、花被片の無い花には、カツラやフサザクラがある。 |
花 丹沢 犬越峠 070520 |
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10月ころ実が熟す。袋果が集まった集合果になる。実を上から見ると、星型をしていて、コンペイトウのよう。 | 実 丹沢 大室山 051126 |
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落葉時に、葉がきれいに赤くなる。初秋の山道に、赤い葉がたくさん落ちていた。この季節に、ヤマグルマを見つけやすいのかもしれない。 常緑樹でも、古い葉は落ちる。通常、新しい葉が出てから、古い葉が落ちるので、いつも葉が付いているように見えるだけ。常緑樹で、紅葉する樹はめずらしくない。 |
紅葉 丹沢 長尾尾根 050917 |
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冬芽は頂芽のみ大きく先は尖る。混芽で花芽を含む場合もある。上の芽吹き〜花の写真を参照。 | 冬芽 丹沢 丹沢山 050320 |