自然公園指導員日誌(2008年9月25日 檜洞丸)

 

久しぶりに神ノ川から檜洞丸を歩きたくなった。最近は城ヶ尾峠、菰釣山の西丹沢ばかり通っていた。一方、仕事を棚に上げて新宿のNPO事務所に通うことが多くなり、運動不足も心配だった。2年前には、より長いコース(2006年9月蛭ヶ岳参照)を歩いていたが、用心をした。案の定、下山の途中から足の筋肉が悲鳴をあげ始め、最後の林道歩きは足を引きずっていた。筋肉痛の修復が長くかかりそうだ。
(例によって、樹の写真をクリックすると、説明ページにジャンプします)

 

9月25日(木) 神ノ川日陰沢橋 〜 広河原 〜 源造尾根 〜 檜洞丸 〜 熊笹の峰 〜      日陰沢橋 

日陰沢橋から広河原までは、神ノ川林道からの景色と、自然を楽しむ。山の色は、夏の青さは薄れたが、秋の彩りはまだまだ、中途半端な色合いだった。最近のゲリラ豪雨を受けてか、川の水の量は多い。いつもはほとんど水の枯れている滝も、しぶきをあげていた。

林道沿いの、20m以上はある落差の滝              林道から河原を見下ろす。秋にはまだ早い。
かすかな秋

林道は、山歩きをしたい時にはつまらない道ではあるが、樹木の観察をしたいときには、便利は道でもある。谷側に生えている樹は、樹冠が目の高さのものもあり、普段は下からしか見ることのできない部分が、横から眺められる。木の実や蔓の実を間近に見ることができる。登る前に林道のアプローチが長いルートは、そのためについつい時間がかかってしまい予定が狂う。登り始める前に見た、木の実のいろいろ。

左から:ハクウンボク、オオバアサガラ、ニシキウツギ、サンショウ

左から:ツリバナ、サルナシ、ヌルデ、アカシデ(種子)

広河原で神ノ川林道が大きくUターンするところで、そのまま河原まで突っ切って降りると、源造新道への登り口がある。このあたりのことは「06年9月蛭ヶ岳」の案内で書いた。ちょうどそのUターンする林道脇に、フジアザミがみごとに群生して咲いていた。フジアザミは、富士山の近郊でみることのできるアザミと言うのでついた名といわれる。中部、関東に分布し、丹沢では塩水川の河原でも咲いていた。西では天竜川の支流の三峰川河原で見たことがある。

左:なかなか迫力のあるフジアザミの花(直径5cm以上ある)  右:一つの株から沢山の花柄が立つ


源造尾根は歩く登山者も少ないせいか、流れた水の跡がそのままだったりして、多少荒れた感じが残っていた。主稜線に近づくと尾根筋が幾本かが集まり、複雑な起伏で、道が分かりにくくなる。










鹿の食害で林床に草は無く、落ち葉が広がる。

秋と言えばキノコである。今回出会った森の精たち。

左:不明  中:ヤマブシタケ(お吸い物で美味しかった)  右:ドクツルタケ(地上最強の毒キノコ)

檜洞丸へは細い尾根道が続く。頂きを見ると、雲に覆われている。登るにつれ、風が強くなり、ガスも下りてきてしまった。

左:えぐれてしまったやせ尾根 左:シロヨメナのお花畑

左:霧の中でひっそりとした山荘 右:檜洞丸山頂にも誰もいない

山頂にとどまる気はせず、そのまま素通りして犬越峠方面に下りる。風と霧が強い。早くも足が痛くなってきた。勾配が強く荒れた登山道修復で、木製の階段が続く。足には助かる。ヒノキの香りが強くした。熊笹の峰から神ノ川に下りるルートをたどる。途中、若いシカを2頭見る。

ヒノキの階段                 ブナの大木

 

 

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