短枝・長枝
同じ樹木でも、節(葉腋)と節の間が長い枝を長枝、極端に短い枝を短枝と呼ぶ。樹木が成長する時に伸びる枝は、通常長枝になる。
春に冬芽が芽吹いて枝を伸ばすときに、葉だけが出てくることはなく、展葉は必ず枝の伸長を伴う。冬芽の中には枝と葉がワンセット(シュートと呼ぶ)入っている。また、花は必ず新しい枝(一年枝)に花序をつけ開花する。
樹木は永久に大きくなり続けることはできないので、ある程度のサイズになると長枝よりも短枝を多く作ることで、樹体を大きくせずに必要な葉の量を作り、花を咲かせることができるようになる。
短枝はその形状が目立つ樹と目立たない樹があるが、樹木の成長、生殖に基本的に必要な形態と言える。
イチョウの短枝。横向きの枝が長枝。
長枝から短枝が枝分かれする。
春に芽吹いたときに短枝から蕾が出てくる。写真は雄花。イチョウの短枝からは葉だけの芽吹きの場合もある。
コシアブラは長枝の先が短枝になることが多い。
短枝には葉痕や托葉痕などが密着した輪状の模様ができる。この短枝で10年分くらいの成長になる。
上野原市棚ノ入山 160330
長枝と短枝を規則的に組み合わせた枝。ターミナルブランチングと呼ぶ。枝の先端に花序をつける樹によくある樹形。
丹沢天王寺尾根 050320
ターミナルブランチングの形状になる樹は以下。
ムシカリ
ヤマグルマ
ヤマボウシ(写真)
上記以外に、短枝の観察がしやすい樹木の例は以下。
クロウメモドキ
ヤブデマリ