自然公園指導員日誌(2006年12月15日畦ケ丸)

 

前日の夜に、雨が降りだしていた。明け方の5時過ぎに、家を出るときにも、まだ小雨が続いていた。天気予報を信じて、そのまま西丹沢に向かった。8時に西丹沢自然教室に着いたときには、さすがに雨は止んでいた。しかし、冬の雨上がりの、寒い朝だった。
予定のコースは、標準で5時間30分程度の行程だ。ゆっくりと冬芽の写真を撮るつもりでいた。また畦ケ丸までは、東海自然歩道の一部として、7年前にかみさんと歩いている。そのときは、1日で山梨県の平野まで、歩いたのだからすごかった。

(例によって、樹の名前、写真をクリックすると、説明ページにジャンプします)

 

12月15日(金) 西丹沢自然教室 〜 善六ノタワ 〜 畦ケ丸 〜 大滝峠上 〜 大滝橋

西丹沢自然教室で登山届けを出してから、裏の吊り橋を渡り、登山道に入る。しばらくは西沢沿いに、沢道を登っていく。沢筋を登る道は、ルートを見失いやすいが、ここは案内板や木橋が整備されていて、しっかりしていた。


左:西丹沢自然教室越しに石棚山 中、右:しっかりした木橋が、いくつも西沢にかかる。

権現山への登山口を過ぎると、下棚、本棚への分岐道があるが、そのまま通りすぎる。それぞれ滝へのルートなのだろう。しばらく行くと、本棚らしき滝が、木立の向こうに見えた。確かにかなり高さがありそうな滝だった。
木の間に白い筋が見える。落差は40〜50mくらいありそうだ

善六ノタワまであがると、眺望が開けた。低い雲が、消えたり湧いたりしている。


畦ケ丸までの尾根道は、ゆるやかなアップダウンが続く。途中、ニホンリスの小さな影を見る。

畦ケ丸への道                             山頂近くでのリス

山頂はなだらかなピークになっていて、山頂を示す杭と三角点標識、案内板、白石峠補修記念碑などが建っている。山頂を行き過ぎ100mほどいくと、裏丹沢の尾根筋に出て、再度小ピークとなり、畦ケ丸避難小屋がある。避難小屋はきれいになっていた。この避難小屋には、大きな薪ストーブが置いてあり、その煙突がまたやたらと大きいので、中が狭く感じる。この煙突は何のためにあるのだろう。

畦ケ丸山頂                              畦ケ丸避難小屋


11時20分と、時間は早かったが、小屋で昼食をとる。小屋には浄化槽のついたトイレがあり、多少匂いが漂っていた。

下りは、ゆっくりと冬芽の写真を撮る。下の写真は、樹の種類が分かったら、クリックしてください。



2mくらいの灌木を、よく見ていると、花が咲いている。狂い咲きにしては数が多い。葉の無い、冬芽ばかりの枝に、赤い小さな花がぶらさがっていた。いわゆる釣鐘形で、ブルーベリーのような花だ。多分スノキの狂い咲きなのだろう。

大滝峠上までの尾根で、クマ棚を見つけた。ブナの木の梢に、枯れ葉がかたまって乗っているので、多分そうだろう。またテンの糞もいくつか見つけた。シカの糞はそこらじゅうにある。

左:ブナの木のクマ棚                       テンの糞とシカの糞 手前は単三乾電池

大滝峠上から大滝橋までの道も、よく整備されている。途中にも避難小屋があり、至れり尽くせりだ。

一軒屋避難小屋(普段は林業で使われているようだ)    しっかりした作りの道

下に降りてくると、わずかに遅い紅葉が残っている。特に、マルバウツギの紅葉がきれいだった。また道から見れる渓流も変化があり、大きな滑滝が見事だった。

大滝橋まで降りてから、箒スギを見に足をのばした。箒スギは、国と県指定の天然記念物で、樹齢2000年と言われる、樹高45m、幹回り12mの巨樹だ。地名の箒沢とは、かつては宝木沢と書いたらしい。このような木がたくさんあったのだろう。明治時代に、同程度の大きさの木が、切られた記録があるらしい。

 

 

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