秋・冬の虫こぶ いろいろ
2005年1月16日
(樹木の名前、および写真をクリックすると、樹木の説明にジャンプします。)
虫こぶも、秋から冬はお休みになるのかもしれない。虫こぶの写真が集まらない。
考えてみれば当然だが、植物の何に寄生するのかによって、虫こぶの季節は決まるようだ。
葉や花に寄生する場合は春から夏、実に寄生するものは夏から秋、芽に寄生するものは冬、と言ったところか。
秋が過ぎ冬の盛りとなったが、秋のネタが足りないので、いっそ秋・冬合併号にした。
冬の期間はまだ終わってないが、見切り発車してまとめてみた。
新しい虫こぶや写真があれば、そのときに追加します。
やはり秋の虫こぶの代表はノブドウだと思う。
ブドウとは言っても食べることはできない。何故ならほとんどが虫こぶなのだ。
虫こぶでなくても美味しくはないようだが。ただ、実はとてもきれいで可愛らしい。
虫こぶになることで大小さまざま、色とりどりの実になる。
左:ノブドウの実、大きくいびつな実はノブドウミフクレフシ。 右:実の断面、何かがいるが確認できない。
このノブドウを庭のフェンスに絡げておくと、秋が楽しくなると思う。
雑草として、公園や学校のフェンスで発見できても、個人邸では見たことが無い。野性的すぎるのか。
秋の山でも、少ないけれど虫こぶを見つけることができた。
紅葉間近のコナラの葉に綺麗な丸い玉を発見。
低木に絡んだヤマイモのムカゴを探していると、茎が異様に太くなっている部分があった。
イタヤカエデの葉の表に、小さなツブツブを発見。
ナラハヒラタマルタマフシだと思う。虫こぶの内部は漿質で、硬い幼虫室がある。
山の芋の茎。ムカゴがある。ヤマノイモツルフクレフシ。中には黄色いタマバエの幼虫がいる。
正体不明。オオモミジハヒメイボフシなのか?
冬になり葉がすべて落ちた後で目立つのが、この虫こぶだ。
この虫こぶがあると、イヌシデだなと思う。イヌシデメフクレフシ。ダニの仕業である。
ほとんど必ず頂芽にできる。頂芽の鱗片が肥大し、直径2cmくらいの丸い座布団状の虫こぶである。
葉の無い梢のあちこちに、何か豆のような蕾のようなものがついていたらこれだ。
2005年2月18日
新しく冬の虫こぶを発見。
常緑ならば、冬の葉にも虫こぶがあるかもしれない、と思っていたら丹沢で見つけた。
シキミの葉に茶色い、鼻糞みたいなツブツブが着いていた。虫の写真を撮ろうとしたが小さくて見えなかった。
「中えい図鑑」には、タマバエの1種により葉の表に形成されるとある。写真は葉裏である。
シキミハコブフシ。内部には1匹の幼虫がいるらしい。
春の虫こぶで紹介したアオキの実と、同じからくりの虫こぶがネズミモチの実にあった。
つまり、実が熟して落下する時期がきても、熟さずに枝に着いている。その中に幼虫が暮らしているのである。
ネズミモチの実は、通常は12〜2月には黒紫色になり、落下する。虫こぶは5月頃まで落下しない。
試しに、実を割ってルーペで見ると、小さな幼虫がいた。これもタマバエの仲間である。
ネズミモチミミドリフシ。色、形が不規則だ。 実の断面。左の隅に幼虫がいる。外を覗いている?