マンリョウ |
学名 | Ardisia crenata |
別名 | アカギ | |
万両 | 分類 | ヤブコウジ科ヤブコウジ属 (常緑低木) |
赤い実の着き方が、豪華なための名。 | 原産・分布 | 本州(関東以西)、四国、九州、沖縄、アジア東南部 |
神奈川県 | 全域のシイ・カシ帯樹林内に普通に生える。 | |
用途 | 庭木 | |
暖地の照葉樹林内に自生する。庭にもよく植えられている。野鳥により実が運ばれ、よく増えるので、人家に近い林内では、自生かどうか区別できない。 茎は直立し、高さは1mくらいまでなる。上部で開出する、小枝をまばらに出す。 木は小さいが、細根が少なく、移植は難しい。実生を育てるなら、果肉を取り除いてから、種子を蒔く。 |
樹 港区 自然教育園 060302 |
|
葉は互生し、葉身は長楕円形で、質は厚い。縁は、波状の鋸歯がある。 | 葉 港区 自然教育園 060302 |
|
7月頃、小枝の先に、散房状の花序をつける。花冠は白色で5裂する。雄しべは黄色い三角形になる。 | 花 横浜市 港北区 070713 |
|
果実は球形で、冬に赤く熟す。ときに白い実や、黄色の実がある。 この赤い実が綺麗なので、庭木にしたり、正月の飾りに、赤い実と白い実とが使われる。 |
実 港区 自然教育園 060302 |
|
小さい葉だが、特徴がすでに同じ。 | 実生 横浜市 港北区 071003 |
|
こぼれ話 「千両・万両」 同じ主旨での命名に、千両(センリョウ)、百両(ヒャクリョウ)、十両(ジュウリョウ)、一両(イチリョウ)がある。庭木としては、センリョウ・マンリョウが縁起物としてよく植えられる。ちなみに千両は、センリョウ科の低木のセンリョウ、百両、十両はそれぞれ、ヤブコウジ科のカラタチバナ、ヤブコウジを、一両はアカネ科のアリドオシを指す。 名前の由来の順序としては、中国の古い植物名として「百両金」という名が江戸時代の初めに伝わり、当時の園芸家がカラタチバナを当てたのが始まりとされる。より大きく、実の多い(中国名で草珊瑚と呼ばれていた)植物をセンリョウと呼び、さらに江戸中期に本種のマンリョウの命名があった。マンリョウは以前はアカギと呼ばれていた(「木の名の由来」より)。あとはついでの命名のようだ。正月飾りで「千両、万両、アリドウシ」と縁起をかつぎ、アリドウシがイチリョウになった。 |