ケヤキ | 学名 | Zelkova serrata |
別名 | ツキ(槻) Keaki(英) |
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欅、槻 | 分類 | ニレ科ケヤキ属 (落葉高木) |
ケヤケキ木(目立つ木)の変化したもの。漢字の欅は、中国ではサワグルミの一種カンポウフウに付けられた名。 | APG分類 | ニレ科ケヤキ属 (落葉高木) |
原産・分布 | 本州、四国、九州。朝鮮、台湾、中国。 | |
神奈川県 | 全域に分布する。丘陵地から山地まで見ることができる。 | |
用途 | 庭木、公園・街路樹、建築・器具・楽器・彫刻材 | |
山野に自生する他、公園・街路樹としても植えられている。自生地は川岸など、肥沃なところを好む。関東地方に特に多いのは、徳川幕府の奨励策による。 通常高さは20〜25mになる。幹は直立し、樹冠は、扇を開いたような形で美しく、冬の梢は、一層形がよく分かる。「欅」の字は、その形から当てられたのではないか。 樹1は皇居東御苑に植えられた公園樹。典型的な箒型。 樹2は渓畔の樹。一度斜めに倒れたものが途中から再生したように見える。目通り2mほどある。 樹3は「贄(にえ)掛けの大欅」。目通り径3mほど。推定樹齢1000年とされている。 |
樹1 千代田区 江戸城跡 040201 |
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樹2 丹沢三ケ瀬川 110917 |
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樹3 諏訪市諏訪大社上社本宮 160626 |
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樹皮は、若木では、横に長い楕円形の皮目が多く、全体としては滑らか。壮年になると灰紫褐色で雲紋状の薄い片となって剥がれ落ちるようになる。 材は硬く木目が通り、狂いが少ないので用途が広い。板にしたときに、独特の紋様(もく)を生じる。 昔から建築材としては、大黒柱や太い梁として目につく箇所に用いられた。 また臼や杵は太い幹から削り出して作られた。 |
若い幹 上野原市 秋山 190217 |
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幹 港区 自然教育園 190214 |
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幹 品川区 林試の森 050318 |
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通常、新緑は一斉に芽吹くが、この年(2004年)の芽吹きは、枝ごとにばらばらだった。 乾燥気味、あるいは気温変動の大きい春にそうなるのか。遅霜があっても被害を少なくするためとか、水分の蒸散の調節のためとか、いろいろな憶測があった。2005年春は一斉の芽吹きだった。 |
新緑 横浜市 港北区 (植栽) 040412 |
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葉は互生、葉身は卵形あるいは卵状披針形で、先は鋭尖頭。質はやや薄く、縁には鋭い鋸歯がある。鋸歯の形に特徴がある。この形を覚えると、本葉が2枚だけの実生でも、ケヤキだと分かる。 写真下)春の展葉時には新葉を保護する托葉が見えるが、すぐに脱落する。葉柄、葉は赤味を帯びる。 写真上)春先の葉は未だ柔らかく、明るい緑色。 写真上中)夏になると濃い緑色で、葉身は硬くなり洋紙のカサカサ感になる。 |
葉・枝 横浜市 根岸森林公園 040507 |
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葉表 鋸歯の形が独特 丹沢 神ノ川 060730 |
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葉裏 丹沢 神ノ川 060730 |
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托葉 上野原市 秋山 240417 |
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雌雄同株、雌雄異花。 4〜5月に、展葉と同時に、花を付ける。本年枝の、下部の葉腋には雄花が、上部の葉腋に雌花が、それぞれ数個ずつ集まって付く。ともに淡黄緑色だが、雄花からは4〜6個の雄しべが外に出るため、目立つ。 サクラが華やかな季節に、ケヤキも花が満開なのに気づく人は少ない。風媒花。 |
雄花 藤沢市 六会 050408 |
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条件により、紅葉の美しい樹でもある。特に木によって、色が異なる。写真は、赤も黄もケヤキである。 >「いろいろな紅葉」 |
紅葉 川崎市 川崎区 (植栽) 041109 |
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果実(種子)は小さな痩果で秋に熟す。 いわゆる風散布種子に分類されるが、種子だけでは、翼が無いので飛べない。写真のように、葉と一緒に枝ごと折れて飛んでいく。この時に葉が枯れていた方が都合が良いのかもしれない。次欄参照。 |
実 上野原市 秋山 111016 |
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秋に紅葉と紛らわしい(原理的には同じかもしれないが)現象が見られる。数年に一度、紅葉せずに葉が茶色く枯れることがある。葉が枯れるだけで木が枯れる訳ではないが、枯れた葉は直ぐには落葉しない。 この2005年は各地でケヤキの葉が茶色くなった。写真下藤沢市の木は紅葉にも見えるが、近くで見ると葉は枯れている。 原因ははっきりしていないが、果実(種子)が豊作の年に葉が枯れるという説がある。種子の風散布と関連があるのかもしれない。 |
葉枯れ 群馬県 みなかみ町赤谷 051001 |
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葉枯れ 藤沢市 六会 051115 |
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1年枝は細く、側芽でジグザグに折れ曲がる。冬芽は、円錐状卵形で、横に開出する。芽鱗は紫褐色で8〜10枚が4列に並ぶ。 | 冬芽 横浜市 港北区 050303 |
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種子が小さいので子葉(双葉)も丸く小さく、先がくぼむ。初めの本葉は十字対生状に4枚つく。初期の本葉の鋸歯の形もケヤキの特徴を備えている。 | 芽生え 丹沢 中川東沢 090503 |
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写真上)よく見ることのできる虫こぶ。ケヤキハフクロフシ(ケヤキ葉袋フシ)と思われる。タマワタムシによる。タマワタムシの2次寄生先は、ササ・タケ。10月頃、2次寄生先から再びケヤキに集まってくる。 写真下)手元の図鑑に無く不明。名付ければケヤキハタマフシ、か。 |
葉虫こぶ 群馬県 みなかみ町赤谷 060603 |
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葉虫こぶ 横浜市 根岸森林公園 040507 |
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オトシブミの一つ。ルイスアシナガオトシブミによる揺籃。 写真のように枝から切り離さないケースと切り離されているケースがある。 |
葉揺籃 小仏山地 石砂山 100516 |