イチリンソウ |
学名 | Anemone nikoensis |
別名 | ||
一輪草 | 分類 | キンポウゲ科イチリンソウ属 (多年草) |
花が一株に1つづつ咲くための名。 | APG分類 | キンポウゲ科イチリンソウ属 (多年草) |
原産・分布 | 本州、四国、九州。 | |
神奈川県 | 高標高部と三浦半島を除き広く分布する。林縁、林床に生える。 | |
花の時期 | 4月〜5月 |
早春に花が咲き、他の植物が葉を繁らすころには種子ができ地上部は姿を消す。春には日照があり、夏には日陰となる落葉樹林の林床に生える。スプリング・エフェメラル(春植物)と呼ばれる。
地中の根茎から花茎を伸ばし、3枚の茎葉(総苞葉)と1つの花をつける。至ってシンプルな構造。
上野原市秋山 130502
種子による増殖と、根茎の増殖により増える。仲間で同様の繁殖方法のニリンソウと比べて、あまり大きな群生にならない。
実際、種子は見たことが無いので、根茎により増殖することが多いのではないか。
上野原市秋山 210424
大きくなった群落。人工的な環境で保護されているための群落か。
東京都神代植物公園 240229
イチリンソウの仲間には、根生葉と花茎につく茎葉とがある。根生葉も茎葉も形状はまったく同じで、茎の先に花をつけるかどうかで判別できる。茎葉は茎に3個輪生する。三出複葉で小葉はさらに羽状に深裂する。
仲間のニリンソウと異なり長い葉柄がある。
上野原市秋山 130502
写真は花がまだ蕾の状態。花を持った花茎の根元に小さな、花をつけない葉が数本あるが、これが根生葉。
上野原市秋山 200424
花弁のように見えるのは萼片で白色、通常5枚ある。
雄しべ、雌しべともに多数つく。
花言葉 「追憶、久遠の美」
上野原市秋山 100424
萼片の裏は紫色をおびる。
上野原市秋山 100424
株の状態が良いと、稀に1つの株に2輪咲くこともある。
上野原市秋山 210421
春の芽出し。若葉は紫色をおびる。
上野原市秋山 140403
イチリンソウの株全体。
根茎は2〜5mm程の太さで長くなる。自然薯を極端に小さくしたような形状で折れやすい。根茎の先端にある芽から茎を伸ばす。地中の芽や茎はきわめて繊細。
右は若い株で、まだ花をつけず根生葉だけ伸ばしている。左は成熟株で、花茎と根生葉と両方を根茎の先端から伸ばしている。根生葉は花茎にはつかず、根茎から出ているのが分かる。
地下茎を伸ばして離れたところに新しい株をつくる。地上部が無くなる夏に、土壌の乾燥や高温化に弱い。春植物一般に、夏に日が当たらず湿り気の多い、丘陵地の北斜面に多いとされる。
上野原市秋山 230403