自然公園指導員日誌(2006年3月19日檜洞丸)

 

3月になると急に春の陽気になり、丹沢の雪も一気に消えて行ったようだ。アイゼンを持たずに、檜洞丸に登ることにした。朝の5時に家を出て、246をひた走ると、なんと7時に中川に着いてしまった。2時間は新記録だ。昨年11月の大室山登山で、下山ルートにした犬越路から登ることにした。
(例によって、樹の名前、写真をクリックすると説明ページにジャンプします)

 

3月19日(日) 用木沢出会い 〜 犬越峠 〜 檜洞丸 〜 ツツジ新道 〜 中川

犬越路は、用木沢沿いに登っていく。早速、最初の丸木橋が流されていた。昨年の下山時には、大丈夫だったはずだが。

左:流された丸木橋 中:しばらく広河原沿いに登る 右:ダンコウバイの花

犬越峠が近づくと、登りは急になり、後ろを振り返ると、山並が見えるようになった。最後の笹藪をぬけると、峠に出た。峠には、できたばかりの避難小屋がある。この避難小屋は、林道や、向かい側の尾根筋からもよく見え、急な山肌の上にのって建ち、何か心細げにも見えた。近くで見ると、新築だけに立派だ。


上左:峠から南西を見る。遠くは箱根の山 上右:新築の避難小屋。中も綺麗。トイレはバイオトイレ。
下左:犬越路の名の由来。確かに箱根、小田原への近道だ。 下中:避難小屋遠景 下右:朝日に輝く笹原

犬越峠から檜洞丸への路は、急な岩場が多い。危ない所は、クサリが設置されているが、用心したほうが良い。後ろには、富士山や大室山が、いつも見え隠れしている。

左:大室山 右:尾根筋にあったマンサク。丹沢では、個体数が少ないようだ。

檜洞丸に近くなった尾根筋の、南斜面を見ると、ブナを含めた立木の枯れが目立った。丹沢大山総合調査では、相模湾から吹き上げる南風に、オゾンが多く含まれ、それが枯れの原因と言われている。そのオゾンの元は、首都圏の大気汚染である。

左:尾根筋の南斜面 右:尾根から中川東沢を見下ろす。沢を寸断する堰堤と、やけに立派な林道(もちろん通行止め)。

やっと雪が消えた、初春の日曜日。檜洞丸の山頂は、ほどほどに賑やかだった。男女8人の中高年グループ、二人連れ、単独登山など何組かが、広い山頂のあちこちで、昼食休憩をとっていた。表尾根に行けば、塔ノ岳などは目一杯賑やかなのだろう。
8人グループが、休憩を終えて、山頂からの降り口を探してウロウロしていた。気になって声を掛けると、犬越路から降りると言う。今来た道の方を示す。楽しい会話を、しばしさせていただくが、お酒が入っているのか、顔の赤いおじさんもいて、犬越峠までのクサリ場など、大丈夫か心配になる。

左:山頂間近。向こうは姫次から風巻の頭 右:広い山頂。テーブルが散在し、中央に山の神と、山頂を示す杭があった。

山は、まだ花も、緑も少ないモノトーンの世界である。麓まで降りてくると、かすかな春の色があった。
中川沿いの県道に出て、車まで歩いていると、山頂の8人パーティと出会った。無事どころか、予想以上に早い下山で、安心した。

 

 

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