ナツツバキ |
学名 | Stewartia pseudocamellia |
別名 | シャラノキ | |
夏椿 | 分類 | ツバキ科ナツツバキ属 (落葉高木) |
夏に花が咲くツバキだから。ツバキについては、ヤブツバキを参照。別名のシャラノキは、下欄こぼれ話を参照。 | 原産・分布 | 本州(宮城県以西)、四国、九州、朝鮮 |
神奈川県 | 庭木としての植採が多い。西丹沢で最近、自生が確認された。 | |
用途 | 庭木、公園樹、床柱 | |
山地に生える。庭木や公園樹としても多く植えられている。 写真は新潟県との国境、三国峠近くのブナ林に生える巨木。赤黒くいつもツヤがある。 |
巨樹 群馬県 水上町 三国峠 051002 |
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庭に植えられるような若い木の写真。樹皮は平滑で、薄く剥げ落ちた跡が、赤褐、灰白、灰褐色などの模様になる。 | 幹 品川区 林試の森 (植栽) 050325 |
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葉は互生する。葉身は倒卵形あるいは楕円形で、やや厚い膜質。縁には小さい鋸歯がある。表面は無毛、裏面には絹毛がある。 | 葉・若実 川崎市 高津区 (植栽) 040727 |
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花は6〜7月に、葉腋から出る花柄に単生する。花柄は2〜3cmと、仲間のヒメシャラより長い(上の写真)。花は5〜6cmで白色。花弁は5枚で縁に細かい鋸歯がある。冬咲くツバキと同様に、花弁の基部は合生し、多数ある雄しべとも合生する。 | 花 川崎市 中原区 (植栽) 040610 |
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ナツツバキの果実は5角卵形で、先が尖る。冬咲くヤブツバキとは、この実や種子の形が大きく違う。 | 若実 川崎市 中原区 (植栽) 060707 |
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冬芽は紡錘形で平たい。初めは芽鱗が2枚あるが、落ちやすく裸芽の状態が多い。 | 冬芽・刮ハ 横浜市 鶴見区 (植栽) 040304 |
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朔果は木質で、先の尖った卵形。熟すと5裂する。この果殻が翌年春まで残る。種子は偏平の楕円形で、中央部が膨らむ。 | 種子 厚木市 七沢 保全センタ 070930 |
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こぼれ話「沙羅双樹」 釈迦が沙羅林の中で涅槃に入ったときに、東西南北の四方に、それぞれ2本の沙羅の木があったとされている。釈迦が涅槃に入るや、四方の双樹は、それぞれ一樹となり、林を覆い白くなって枯れた。東西南北の双樹は、それぞれ常と無常、我と無我、楽と無楽、浄と不浄とにたとえられている。そこから沙羅双樹と言う言葉になったとされる。インドボダイジュとならび仏教では聖木とされている。(広辞苑より) この沙羅の木は、本来フタバガキ科の樹で本種とは異なるが、長い間本種が誤解されシャラノキと呼ばれていた。本家の沙羅の木は、熱帯雨林の構成樹で、日本では温室の中でしか育たない。写真は神大植物園大温室のシャラノキの葉。 |