フジサンシキウツギ

学名 weigela ×fujisanensis form. rosea
別名 フジベニウツギ、サンシキウツギ
富士三色空木 分類 スイカズラ科タニウツギ属交雑種 (落葉低木)
富士山の見える地域に生えるため。 原産・分布 本州(山梨県、静岡県)
神奈川県 県西部の山梨県に接する地域に分布する。
用途 特になし
ヤブウツギとニシキウツギの交雑種とされ、それぞれの分布の重なる山梨県と静岡県に分布する。フォッサマグナ要素とよく似た分布だが、雑種であり要素には含まれない。
日本海側のタニウツギと同じ紅色のウツギ。タニウツギに比べ赤味が濃い。花の色は初めから紅色で変化しないが三色の名がつく。
見分け方(タニウツギ属)


丹沢
神の川
070505
幹は直線状に斜上して長く伸びる。若い幹は茶褐色(下の写真)だが、古くなると灰白色で縦の細かい割れ目と丸い皮目が目立つ。

上野原市
秋山
161108
ウツギの名だが実際は空木でない。茎の中心は白い髄が詰まっている。 幹断面

上野原市
秋山
161108
葉は対生し、葉身は卵状楕円形または楕円形で、先は短く尖る。縁には細鋸歯がある。他のタニウツギの仲間に比べ、葉柄が短い(5mm程度)と言う特徴がある。両面に毛があるが、裏面脈上に開出毛が多い。
葉表

丹沢
大室山
070520
葉裏

丹沢
大室山
070520
葉裏脚

丹沢
大室山
070520
花は5〜6月に咲く。合弁花で、蕾の段階では砲弾のような形状になる。萼、花弁に短毛が目立つ。タニウツギ属の子房は下位で、萼より基部にあるため、一見花柄のように見える。子房がほとんど無毛という特徴をもつが変異もあるとされる。
花冠は漏斗状鐘型で5裂し、上部で急に広がる特徴がある。雄しべは5個、花糸の基部は花冠と合着する。雌しべは1個で雄しべより長く、花冠から突き出る。


丹沢
神の川
070505


丹沢
神の川
070505


丹沢
神の川
070505


丹沢
神の川
070505
果実は円筒形の刮ハ。子房の先に花柱と柱頭が残る。子房は葉腋に無柄で着いているのが分かる。
初冬に2列に裂開して種子を出すが、殻は春まで枝につき目立つ。


上野原市
秋山
161005
実殻

上野原市
秋山
160210
種子は1mm弱の偏平な楕円形。片側に薄い膜があり、風に飛ばされる。 種子

上野原市
秋山
161108
枝には先端に頂芽が1つ、葉腋に側芽が対生する。頂芽は大きくない。冬芽は卵形で先端は尖り、短毛がある。 冬芽

上野原市
秋山
150326
葉痕は横に長い楕円形〜三角形、維管束痕は3つ。膨らみ始めた芽と一体でユニークな顔になっている。
→「木になる冬の顔
葉痕

上野原市
秋山
150410
展葉中の葉は大きく波うつような皺が多い。葉裏の葉脈上の毛が目立つ。 芽吹き

上野原市
秋山
150410

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