シラネセンキュウ

学名 Angelica polymorpha
別名 スズカゼリ
白根川芎 分類 セリ科シシウド属 (多年草)
生薬として用いられるセンキュウ(川芎)に花が似ていて、白根山で発見されたための名。 APG分類 セリ科シシウド属 (多年草)
原産・分布 本州、四国、九州。朝鮮、中国東北部。
神奈川県 足柄、小仏、丹沢山地に分布。谷間や湿地などにやや普通。
花の時期 9月~11月


山地の谷間などやや暗く湿ったところに生える。草丈は1.5mを越えるものもある。
茎は枝分かれし、それぞれの枝先に大型の複散形花序をつける。
上野原市秋山 121010


主軸の先端の花が開花した時点の株。側枝や葉の形状が面白い。
以下の写真で説明するように複雑な成長過程を経る。
上野原市秋山 210921


成長途中の花茎の先端。袋状の苞の先に小さな複葉の葉がつく。
上野原市秋山 210921


暫くすると苞の基部が割れて、茎の新たな先端が現れる。苞の中には側枝にあたる茎も一緒に包まれている。
上野原市秋山 210921


主軸は既に伸び、側枝が成長を始める前。やはり茎(側枝)の先端には袋状の苞がつき、その先には小さな複葉の葉が見える。
一方、全体を包んでいた苞の先の複葉は大きくなってきている。
上野原市秋山 210927


展葉を終わった葉。3~4回3出複葉で、小葉には鋭い鋸歯がある。
葉柄の下部は苞の形状のままで、基部は茎を抱く。複葉の葉が大きく、全体としては垂れ下がった感じになる。
上野原市秋山 121010


主軸や側枝の先端に蕾をつける。その蕾はやはり苞に包まれて成長する。蕾から2つ下の節の苞が開いたところ。主軸の先端にあるいろいろな部品が一気に姿を現した。
シャツを脱いでいるように見えなくもない。
上野原市秋山 210928


この写真の蕾は、形が崩れずに苞が取れたところ。
一つ一つの蕾や花柄やらがゴチャゴチャに固まっている。
上野原市秋山 140928


翌日、上のゴチャゴチャが少しほぐれてきた。
上野原市秋山 140929


全部がほぐれてしっかりした花序になると、外側から個々の花も咲き始めた。
上野原市秋山 141001


花序は大きいが花は小さい。 全体は複散形花序。
枝先から20以上の小花序柄が伸び、花序柄の先にやはり20以上の花柄を出す。つまり400個以上の小さな花が咲いている。
花言葉 「永遠にあなたのもの」
上野原市秋山 121010


若い実。
上野原市秋山 121023


春先の根生葉。
多年草(宿根草)ではあるが、1つの株は1回開花すると枯れてしまう、いわゆる一回結実性。種子からの発芽直後は小型のロゼットのまま1年を終える。数年で株が充実すると、花茎が立ち上がり花をつけ、秋に種子を稔らせて枯れてしまう。根生葉には茎葉のような葉柄下部の苞が無い。
根茎での増殖を確認できないので種子繁殖のみかと思える。種子の発芽率は良い。
上野原市秋山 150403

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