ベニバナ

学名 Carthamus tinctorius
別名 スエツムハナ(末摘花)、クレノアイ・クレナイ(呉藍)
safflower(英)
紅花 分類 キク科ベニバナ属 (越年草)
花から染料の紅を採るための名。別名の末摘花は花の説明を参照。呉藍は中国(呉)から来た染料(藍)の意味。後に呉藍を「紅」と表記するようになった。 原産・分布 エジプト、中近東原産。古墳時代に渡来。渡来年代は諸説あり。
神奈川県 自生は無い。
花の時期 6月〜7月


エジプトが原産地とされ、貴重な赤色の染料として古代から多くの地域で栽培された。
平安時代の初期に創建された長福寿寺(千葉県長南町)によると、菅原道真の子滋殖が房総半島に移り住み長南次郎と名のり、ベニバナの栽培を始めた。現在有名な山形県のベニバナは、長南氏の子孫が室町時代に持ち込んだとされている。
長南町ではベニバナを町花として毎年6月に紅花祭りを開催している。
千葉県長南町長福寿寺 150618


葉はやや硬い質で、先の尖った卵形で無柄で互生する。
縁は棘状の鋸歯になるがそれほど痛くはない。
千葉県長南町長福寿寺 150618


球形の総苞、これが蕾。
夏に茎の頂きに頭状花を付ける。外側の総苞片は輪生状に広がり葉に似る。総苞片の縁には鋭い棘があり、これは痛い。
千葉県長南町長福寿寺 150618


総苞の上に紅黄色の筒状花が多数突き出たアザミに似た形状になる。外側の花から内側に順に咲いていく。花を摘むときに外側から摘むために末摘花の別名がある。
花を摘んで団子状にして発酵、乾燥させたものを紅花餅と呼び、これで染色した。黄色系、赤色系の色素として染料、着色料(食品、化粧品など)などに広く用いられている。古い色の例として黄丹、紅色がある。
花言葉「包容力、特別な人、装い、化粧、愛する力」などいろいろある。
千葉県長南町長福寿寺 150618


花の色は黄色から赤に変化する。写真は終わりの頃。
筒状花の先は5裂し、一つ一つが花であることが分かる。両性花であり、一つの筒状花の中に雄しべと雌しべがある。
★薬効★血行促進、生薬名は「紅花(こうか)」。
花を乾燥させたもの。
千葉県長南町長福寿寺 150618


花の後は大きな総苞が残り、中に多数の痩果が入る。
千葉県長南町長福寿寺 180621


在来のキク科に比べ痩果は大きく6〜7mmある。卵形で4稜ある。
種子を絞って採れる油が紅花油(サフラワーオイル)で、食用油として使われている。
千葉県長南町長福寿寺 180621

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