オニシバリ

学名 Daphne pseudo-Mezereum
別名 ナツボウズ
鬼縛り 分類 ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属 (落葉小低木)
樹皮が丈夫で、鬼も縛れるというのでこの名。秋に葉が出て夏に落葉することから、別名がある。 原産・分布 本州(福島県以西)、四国、九州(中部以北)
神奈川県 シイ・カシ帯の丘陵、山地にやや普通に見られる。
用途 特になし
林内に生える低木。夏に落葉する珍しい冬緑樹である。冬の林内で緑色がよく目立つ。幹の枝分かれは少ない。
写真の樹も、何も無い杉の林床に、点々と緑が散在していた。
落葉期間は7月から9月ほどと短い。耐陰性の強い常緑樹が、夏の日照を避けるために一時落葉する性質を獲得したのではないだろうか。


丹沢
二俣050215
オニシバリ樹
葉は枝先に集まって互生する。倒披針形で質は薄く、表裏ともに無毛。鋭頭あるいは鈍頭で縁は全縁である。

丹沢
二俣
050215
オニシバリ葉
樹皮は灰茶色で無毛。樹皮は縦に裂け、剥がれやすいが、強靱で切れない。ジンチョウゲ属の仲間にはミツマタがあり、樹皮の繊維が強いので和紙の材料になる。

丹沢
二俣050215
オニシバリ幹
雌雄異株。2〜4月、葉腋に黄緑色の小さな花を数個付ける。花弁に見えるのは、がく筒が4裂したもの。 雄花

丹沢
二俣
050215
オニシバリ雄花
雌花は雄花より少し小さい。 雌花

伊豆
国士峠
050330
オニシバリ雌花
夏の訪れとともに黄葉し、実が熟す。果実は液果で、熟すと赤くなる。
見た目には美味しそうだが、図鑑には非常に辛い、あるいは有毒とある。口にしてみると、毒の気配は無い。むしろ甘味がかすかにあり、そう言われれば辛味もある。どちらにしろ、あまり味のしない実だった。


厚木市
七沢森林公園
080530
オニシバリ実
オニシバリのよく似た種に、ナニワズがある。本州は、石川県以北の分布で、神奈川県には無い。オニシバリに比べ、葉の先端が丸い、花が黄色い、等の違いがある。
ナニワズとは、オニシバリの長野地方での方言、とも言うので区別が難しい。
ナニワズ花

長野県
信濃町
黒姫
050501

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