ヨウシュヤマゴボウ |
学名 | Phytolacca americana |
別名 | アメリカヤマゴボウ Pokeweed、Inkberry(英)、 |
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洋種山牛蒡 | 分類 | ヤマゴボウ科ヤマゴボウ属 (多年草) |
中国原産のヤマゴボウに似ていて、西洋(アメリカ)原産の種という意味。山菜のヤマゴボウとは関係なく、全草有毒。 | APG分類 | ヤマゴボウ科ヤマゴボウ属 |
原産・分布 | 北アメリカ原産。明治初期に渡来。全国に分布している。 | |
神奈川県 | 都市部から丘陵地まで、空地、路傍に生える。 | |
花の時期 | 6月〜9月 |
明るい空地や路傍に生えるが、山地や丘陵地の荒れ地、崩壊地、路傍に多い。草丈が1.5mほどになる大型の草本。
葉の緑、茎の赤、実の黒の取り合わせが鮮やかで目立つ。見た目が毒々しく誤食の危険は少ないが、果汁以外は有毒で、特に根と種子は猛毒なので要注意。
ちなみに、山菜のヤマゴボウは、本種とは関係のないアザミの仲間の根を利用している。
上野原市秋山 240917
50cm程の小さな個体だが花をつけている。茎は途中で枝分かれし、小低木のような形状になる。
葉は互生する。長楕円形で先は尖り、縁は全縁。
横浜市港北区篠原園地 100816
雌雄同株。初夏から秋に、長い総状の花序をつけ、基部から順に白い花を咲かせる。花序は下垂する。
写真のように、花の後は緑色のカボチャのような形状の果実となる。
横浜市港北区篠原園地 100816
花は花弁が無く、白い部分は萼で5枚ある。雄蕊は10個、雌蕊も花柱が10個で、子房は合着して大きく扁平な球形になっている。
花言葉 「野生、元気、内縁の妻」 毒があるが故の言葉かな?
横浜市港北区篠原園地 060819
果実は、秋に熟すと黒紫色になる。遠目には茎や果軸の赤、葉の緑と合わせて鮮やかで、自然界には珍しい目立った色になる。
上野原市秋山 240917
鮮やかな黒紫色だが、果肉には毒性は無いとされる。鳥による種子散布のためと言えば頷けるが、試したいとは思えない。
実をつぶすと赤黒い果汁が出る。指や繊維も色に染まる。簡易的にインクの代わりに用いることもあったそうで、米国ではInkberryの名もある。
上野原市秋山 240917
秋〜初冬には、葉は黄葉、落葉するが、同時に茎も枯れて地上部は無くなってしまう。春に再び太く大きな芽を出す。山菜のようにも見えるが、新芽も有毒とされている。
上野原市秋山 250427
秋に、葉と茎だけを食べたような食痕があった。シカが多いエリアではあるが、犯人が誰かは分からない。一帯の本種を漁ったように食べていた。柔らかいし水気もありそうなので、空腹時の気の迷いなのかもしれないが。毒草も、秋には毒性が弱まるのかもしれない。
上野原市秋山 241007