ツリフネソウ

学名 Inpatiens textori
別名
釣舟草 分類 ツリフネソウ科ツリフネソウ属 (1年草)
花の形をさかさまに吊り上げられた帆かけ船に見立てた名。 APG分類 ツリフネソウ科ツリフネソウ属 (1年草)
原産・分布 北海道、本州、四国、九州。朝鮮、中国(東北部)
神奈川県 平地から山地まで分布する。湿地や流水路脇などに生える。
花の時期 8月〜10月


山地の湿地に生える。茎の高さは40〜80cmほど。仲間のキツリフネと比べると明るい場所を好む。花の時期は少し遅い。種子の発芽率が良いのか写真のように群生する。
都道府県によってはレッドリストの対象になる。
上野原市秋山 120929


上部の茎の葉腋から花序が突き出て複数の花をつける。花序の柄の基部は赤褐色で粗い毛がある。花は、花序の基部から順に1〜2個ずつ咲いて、多いものは10個以上咲くため、花序は長く伸びる。
花は紅紫色で、後ろに伸びた距の先端は巻き込む。横から見ると花柄にぶら下がっているように見える。名前の由来である。
花言葉 「私に触らないで、安楽、期待、心を休める、じれったい」など。キツリフネと共通の花言葉が多い。
群馬県水上町赤谷 090905


花の形は独特。花粉を運ぶ虫との連携で進化したとされる。
ハナバチは、手前の大きな花弁(唇弁)に乗り、入口から入り込んで、距の奥(巻いている部分)の蜜を吸う。この時に上部にある雄しべ、雌しべに触れる。
群馬県水上町赤谷 090905


茎は赤味を帯び節がふくらむ。
葉の褐色の斑点は病気に思える。この場所のツリフネソウに毎年発症する。
山梨県上野原市秋山 110827


果実は刮ハで、くびれた楕円形で先は尖る。少しの刺激ではじけて種子が飛び散る。
花序の基部から順に果実が大きくなるのが分かる。
山梨県上野原市秋山 111017


はじけて種子が飛び散った状態。
種子は黒色で2mmほど。果皮がバネのように弾けて丸まっている。
山梨県上野原市秋山 221012


一年草であり、毎年春に実生が芽生える。写真のように小さな流れの中でも発生する。
上野原市秋山 140416


葉の異常な膨らみがあった。
虫こぶ図鑑によると、ツリフネソウコブアブラムシによるツリフネソウハオレタマゴフシ(ツリフネソウ葉折れ卵フシ)らしい。名前の通り、葉を半分に折り曲げ袋状になっているようだ。葉肉が肥大し赤みをおびているので目立つ。
群馬県みなかみ町赤谷 121007

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