ナンバンギセル

学名 Aeginetia indica
別名 オモヒグサ(古名)
南蛮煙管 分類 ハマウツボ科ナンバンギセル属 (一年草)
花の形が南蛮渡来のキセルに似ているとしてついた名。 原産・分布 北海道、本州、四国、九州、沖縄。アジア東南部。
神奈川県 全域のシイ・カシ帯に広く分布する。
花の時期 7月~9月


山野に生える葉緑素を持たない寄生植物。イネ科などの単子葉植物の根に寄生し、花柄のみ地上に出して花をつける。小さな葉を地中につけ、地上の茎は10~20cmで赤褐色。
秋にススキを刈っているときに目にすることが多い。藪の中で地際に生える小さな花なので、身の回りにあっても気づかない花の一つ。
写真のように多数の花が群生することが多く、宿主の成長を阻害するともされる。
横浜市港北区篠原園地 100915


茎の先に淡紫色で筒型の花を横向きにつける。萼は赤褐色に黄色の縦筋があり先端が尖る。
いにしえの人はこの花を、恋にもの思う姿にとらえた呼び名を付けた。万葉集にも1首登場する。
「道のへの尾花が下の思い草今さらさらに何をか思わむ」
ススキの根元に生えることを承知した内容になっている。
横浜市港北区篠原園地 100915


花冠は浅く5裂し縁は全縁。雌しべの黄色く大きな柱頭が目立つ。雄しべはその下に隠れている。
花言葉「物思い」
横浜市港北区篠原園地 100915


花の後、花冠はすぐに黒くなり蒴果となる。中には非常に微細な粉状の種子がたくさん入っている。
種子は風で飛ばされ、新しい宿主にたどり着いたものだけが発芽する。一年草であり、毎年大量の種子を飛ばして生える場所を移動している。
横浜市港北区篠原園地 100925

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