アヤメ

学名 Iris sanguinea
別名 カッコウバナ、ソドメ
綾目 分類 アヤメ科アヤメ属 (多年草)
外花被片に網目状の模様があるため綾目となった。別名は、カッコウの鳴くころ、田植え(早乙女)のころ、などからの方言名。 APG分類 アヤメ科アヤメ属 (多年草)
原産・分布 北海道、本州、四国、九州。朝鮮、中国、シベリア東部。
神奈川県 野生は絶滅。平地は栽培種とされる。
花の時期 5月〜7月


山野の日当たりの良い、比較的乾いた土壌で生育する。丘陵地の開けた草地に自生するが、畑の縁やお寺の境内などに良く植えられる。
種子でも増えるが、地下茎による無性繁殖で殖えることにより群生する。
アヤメ科の代表3種(アヤメ、ノハナショウブ、カキツバタ)はよく似ていて間違えられるが、外花被片の色と模様、およびその生育環境で区別ができる。
花茎の高さは30〜60cmで、3種の中では一番小柄な感じがする。
上野原市秋山 230522


葉は長さ30〜60cm、幅は0.5〜1cmほどの線形で、向き合いお互いに2つ折りの状態で抱き合って3〜6枚根生する。表を内側に2つ折りのため、先端まで葉裏を表にしている。先は尖鋭頭。真ん中に中脈がある。
花茎は抱き合った葉の真ん中から立ち上がる。
上野原市秋山 230522


葉先。
葉の幅はアヤメ3種の中でもっとも細いので繊細感があると思える。
上野原市秋山 230522


花の直径は6〜8cmほどになる。外花被片(萼)は3個、楕円形で先が垂れ、中央から基部にかけて黄色い網目模様が入る。内花被片(花弁)は長楕円形で立ち上がる。外花被片の基部上に被さるように3つある花弁状のものが雌しべ(花柱)で、雄しべはその下に隠れている。
花言葉 「よい便り、メッセージ、希望、愛」など。どれもアヤメ科(アイリス)全般につけられた花言葉。ギリシア神話の女神ヘラの侍女(イリス)に関係する。イリスが虹に姿を変えたとき、地上に咲いた花がアイリスだった。
上野原市秋山 230522


大きな3つの花柱と外花被片の間に雄しべがある。写真の細長い黒い分部。
外花被片の網目模様からアヤメの名がついた。仲間のカキツバタはここが白色、ノハナショウブは黄色なので分かりやすい。
上野原市秋山 230522


果実は刮ハで熟すと緑から茶色に変わる。長楕円形で3稜ある。熟すと先から3つに裂け種子をこぼす。
上野原市秋山 230801


種子は暗褐色で3〜4mmの不定形な多角形になる。
横浜市港北区 230811

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