自然公園指導員日誌(2004年度)

 

昨年(2003年)暮れの「県のたより」で、県自然公園指導員の募集があった。森林インストラクターの資格を持っていても、今まではあまり活かす機会が無かった。県自然公園指導員は、県知事から委嘱を受け、登山道の巡視、登山者の指導、自然解説などをする業務だが、無償である。しかし山歩きを漫然とするのでなく、資格を多少でも役立てる活動をしてみたい、と言う気持ちで応募した。

今年の3月の前半に採用の通知があり、4月の18日に委嘱式を行うという案内があった。月に1日程度の希薄な活動になってしまうと思うが、指導員としての活動を、自分なりに記録しておくつもりでこのページを始めてみた。

 

4月18日(日)

神奈川県自然公園指導員委嘱式

13:30〜15:30

神奈川県自然環境保全センター1階レクチャールーム

(厚木市七沢657)

内容(1)委嘱式

   (2)神奈川県自然公園指導員制度の概要について

   (3)その他

県知事からの委嘱ではあるが、自然環境保全センター長から委嘱状を受けた。2年間の任期である。同時に指導員証と腕章を受け取る。なるほど、個人的に山を歩いているのではない、と言う自覚とアピールのために腕章を付けることになっている。180名の募集に対して300名以上の応募があったらしい。抽選で選んだそうだ。180名のうち半数の90名が継続委嘱者で、残り半数が新規に委嘱を受けたことになる。県としては経験者が継続して指導員をしてくれることを望んでいると言う。ただ、年に10回以上の巡視活動がノルマであり、そうでない場合は交代、となる。はたしてノルマを達成できるか。できれば継続してやってみたいと思っている。

委嘱状、指導員証、腕章

 

4月29日(木曜日)みどりの日

浅瀬〜水の木〜切通し峠(大棚沢林道)巡視

(巡視報告書無し)

 

5月13日(木曜日)

塩水橋〜丹沢山(本谷丹沢山線、堂平線)巡視

(巡視報告書無し)

 

7月11日(日曜日)

指導員研修会 第1回

自然環境保全センター1階レクチャールーム

「自然公園指導員の役割について」 自然環境保全センター 坂本自然保護課長

 

8月2日(月曜日)

塩水橋〜丹沢山(本谷丹沢山線、堂平線)巡視報告

公園名:丹沢大山国定公園

天気:晴れときどき曇り

巡視コース:塩水橋 〜 天王寺尾根 〜 堂平 〜 塩水橋

報告事項

指導状況:特になし(登山者に会わず)。

解説状況:特になし(登山者に会わず)。

施設状況:林道から天王寺峠への登山道へ分岐して10分程のところで、木橋が腐朽。歩きづらい程度。(添付写真)

自由記載

ウィークデーのためと、時間がなく丹沢山頂まで行けなかったため、他の登山者に会わなかった。堂平では山腹の修復工事を施工中。

自然観察状況

花−タマアジサイ(谷部最盛期)、ハギ(下部で咲き始め)、マツカゼソウ(下部)、マルバダケブキ(下〜上部盛期)。

実−ウワミズザクラ(黄色い実が各所に落ちていた)、ミツバアケビ(若い実)

鳥−ウグイス(天王寺尾根)、コゲラ(天王寺尾根−堂平分岐点)、トラツグミ(堂平から下/4時以降)

虫−アサギマダラ(天王寺尾根−堂平分岐点)

添付写真

 

 

8月21日(土曜日)

指導員研修会 第2回

自然環境保全センター1階レクチャールーム

「公園利用者への接し方」 日本山岳ガイド協会 武川俊二氏

 

8月28日(土曜日)

指導員研修会 第3回

箱根ビジターセンター多目的ホール

「箱根の自然について」 自然環境保全センター 坂本自然保護課長

予定されていた現地(湖尻集団施設地区)観察会は雨のため中止。せっかく箱根まで来たのに残念至極だった。

 

9月24日(金曜日)

塩水橋〜丹沢山(本谷丹沢山線、堂平線)巡視報告

公園名:丹沢大山国定公園

天気:曇りのち雨

巡視コース:塩水橋 〜 天王寺尾根 〜 丹沢山 〜 堂平 〜 塩水橋

報告事項

指導状況:特になし(登山者に会わず)。

解説状況:特になし(登山者に会わず)。

施設状況:先日の台風の影響か倒木が多かった。堂平沢と天王寺尾根の中間点と、天王寺尾根分岐点上部の2カ所で登山道を横切っていた。(添付写真)また前回報告の木橋は、材がシーソー状態でさらに歩きづらくなっていた。

自由記載

ウィークデーで雨のため、他の登山者に会わなかった。丹沢山頂ではトイレの新築工事、堂平では山腹の修復工事、塩水橋では橋の掛替え工事を施工中

自然観察状況

花−テンニンソウ(下部−上部最盛期)、ツルニンジン(ちらほら)、タイアザミ、フジアザミ、アズマヤマアザミ、ホトトギス、ノコンギク(下部、林道沿い)シロヨメナ(上部)、ツリフネソウ、シラネセンキュウ、ハギ(下部)

実−ヌルデ、ミツバアケビ、アラカシ、シラカシ、モミ?(動物が食べた跡?が落ちていた)、コバノガマズミ、ガマズミ、ヤマボウシ(落ちていた)、サルナシ(落ちていた)イタドリ、ハダカホウズキ

鳥−鳴き声は聞こえず。

虫−アサギマダラ

添付写真

堂平沢−天王寺尾根中間点の倒木                    天王寺尾根上部の倒木 周りの草地に迂回路ができつつある。

 

 

10月5日(火曜日)

指導員研修会 第5回

自然環境保全センター1階レクチャールーム

「丹沢大山保全計画について」 自然環境保全センター 自然保護課 深井氏

秋雨前線のために、3日間休み無く雨が降っている。平日の雨の中、参加者は40名近くいるようで盛況だった。

現在、丹沢では平成5年から4年間かけた「丹沢大山自然環境総合調査」の結果にもとづいて、平成11年から「丹沢大山保全計画」が進められている。さらに平成16年(今年)から始まった「丹沢大山総合調査」についてと、今後の予定の説明だった。新しい総合調査とその後の計画についての僕の印象は、総花的、大風呂敷でお役所の作文(作図)に見えてしょうがない。何か欠けているような気がした。

 

2005年2月1日(火曜日)

塩水橋〜丹沢山(本谷丹沢山線、堂平線)巡視報告

公園名:丹沢大山国定公園

天気:晴れ

巡視コース:塩水橋 〜 天王寺尾根 〜 丹沢山 〜 堂平 〜 塩水橋

報告事項

指導状況:特になし(登山者に会わず)。

解説状況:堂平ルートの、雪の状況の説明(山荘に保護された、迷い猟犬を連れに来た猟師に)。

施設状況:天王寺ルートは天王寺峠以上、堂平ルートは本谷川の新しい橋以上が雪で被われていた。天王寺ルートは踏み跡も多く、滑り止めさえあれば問題無いと思う。堂平ルートは踏み跡も少なく、アイスバーン状態のところもありかなり危険

自由記載:雪が多くウィークデーのため、予想通り他の登山者に会わなかった。丹沢山頂では、新装なったみやま山荘で一休みできた。山荘には、飼い主とはぐれ、餌をくれた登山者についてきてしまった猟犬が、腹を空かし寂しそうにしていた。

バイオトイレはほぼ完成していたが、工事中使用禁止の張り紙があった。

自然観察状況

花−無し

実−不明

鳥−林道でキセキレイ。鳴き声はいろいろ、種の判別できず。

フィールドサイン−雪の上にシカの足跡および糞多数。前日の猟犬のと思われる足跡、および小便も登山道沿いに多数。

添付写真:なし

 

2005年2月15日(火曜日)

二俣〜塔ノ岳〜鍋割山〜二俣(大倉尾根線、鍋割山稜線、二俣鍋割線)巡視報告

公園名:丹沢大山国定公園

天気:晴れ

巡視コース:大倉 〜二俣 〜小草平 〜塔ノ岳 〜鍋割山 〜後沢乗越 〜二俣

報告事項

指導状況:特になし。

解説状況:塔ノ岳山頂にて南アルプスの眺望の質問。

施設状況:両峰ともに山頂付近の雪が多い。ストックや滑り止めがあったほうが良い。特に午後は、雪が溶け始め、登山道は川状態。

自由記載:指導員としては初めて、久し振りの塔ノ岳だった。

さすがに表丹沢で、ウィークデイとは言え登山者も多かった。午後の鍋割山からの下りは、雪が溶け始め、細い登山道に水が流れて、グチャグチャになっており歩きにくいこと至極。しかし登山道以外の足跡は目立たず、結構マナーが守られている感じがした。両側のロープが有効なのかもしれない。

その尾根すじで大型の猛禽の影が見えた。残念ながら種の判別は分からなかったが、寄沢側から舞い上がり、大きく旋回しながら上昇したあと、ミズヒ沢側で見失った。写真を撮ったがボケてしまった。

自然観察状況

花−オニシバリ(林道および植林地)

鳥−シジュウカラ、コゲラ、ゴジュウカラ、猛禽?

動物−リス

添付写真:なし

 

2005年3月20日(日曜日)

塩水橋〜丹沢山(本谷丹沢山線、堂平線)巡視報告

公園名:丹沢大山国定公園

天気:曇り

巡視コース:塩水橋 〜 堂平 〜 丹沢山 〜 天王寺尾根 〜 塩水橋

報告事項

指導状況:特になし。

解説状況:みやま山荘オーナ(石井さん)に堂平の雪の状況の説明。仙台から2泊3日で塔ヶ岳、丹沢山、蛭ヶ岳を登りに来たご夫婦に、雪の状況その他の説明。

施設状況:堂平ルートは、堂平沢より上が、まだ雪に被われていて歩きにくい。天王寺尾根ルートはほとんど雪は無い。。

自由記載:暖かくなってきたためと3連休で、登山客が多くなってきた。19日のみやま山荘は20人の宿泊とか。堂平ルートは雪が多く、下りは怖そう。天王寺尾根ルートは風が強かった。

自然観察状況

花−フサザクラ(一分咲き)、ダンコウバイ(県道沿い)、ヤマハンノキ、オオバヤシャブシ、キブシ(蕾)

実−不明

鳥−シジュウカラ、メジロ、トビ

フィールドサイン−林道塩水線沿いの木に、ウスタビガの繭がいくつか。堂平に動物の毛らしきものが落ちていた。登山道沿いに続いていたのと、汚れていないので猟犬かもしれない。

添付写真:なし

 

 

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