ユズリハ |
学名 | Daphniphyllum macropodum |
別名 | ユズルハ(古)、ショーガツナ、ツル、 交譲木(中) |
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譲葉 | 分類 | ユズリハ科ユズリハ属 (常緑高木) 有毒植物 |
新葉が展開してから、古い葉が落ちる性質を、代をゆずると見た名。 | 原産・分布 | 本州(福島県以西)、四国、九州、沖縄、南朝鮮、中国南西部 |
神奈川県 | 県内全域。自生か野生化かの判断は難しい。 | |
用途 | 庭木、公園樹 | |
暖地の山地に生えるが、横浜近郊ではほとんどが植木か公園樹である。まばらな枝分かれで10mくらいになる。 実が熟すころ、古い葉が黄色くなって落ちる。 |
樹 藤沢市 六会 日大構内 051115 |
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樹皮は灰褐色で滑らか。白い皮目が多く目立つ。 | 幹 東京都 海の森公園 160227 |
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葉は互生し、輪生状に枝先に集まる。葉身は狭長楕円形で革質、表面は深緑色、裏面は白っぽい。葉柄は赤味を帯びる。縁は全縁。 若葉が出るころ、古い葉は、垂れ下がっている。この対照が、代をゆずるように見えたのだろう。 葉や樹皮に、ダフニマクリンというアルカロイドを含む。誤って食べたりすると、マヒ、呼吸衰弱、心臓麻痺などの症状があらわれるので要注意。 |
葉 藤沢市 六会 050513 |
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雌雄異株。 5〜6月、新芽が伸びる前に、前年枝の葉腋から総状花序を出し、萼片も花弁も無い小さな花を咲かせる。 写真の上部にこれから伸びようとしている新芽が大きく膨らんでいる。 |
雄花蕾 新宿区 四谷 (植栽) 050407 |
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雌花も萼片や花弁が無い。卵形の子房の先に、2裂した花柱がある。雄しべは退化して、子房の周りに付いている。 | 雌花 藤沢市 六会 日大構内 050421 |
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果実は核果。10〜11月に黒褐色に熟す。 | 実 藤沢市 六会 日大構内 051115 |
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冬芽は卵形で大きい。 | 冬芽 東京都 海の森 160227 |
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こぼれ話 名前の由来にあるように、代をゆずる樹として、子孫繁栄の縁起をかつぎ、正月の飾りによく使われる。供物の下や、食物の下に敷いたと言う。アルカロイドは毒物とされるが、少量なら薬になる。葉を喘息の薬としたり、樹皮を皮膚病に外用したりしたらしい。さらには、救荒植物の一つともされていて、紀州では若芽を正月菜として食べる風習もある。 ただし、生兵法は怪我の元である。 |