ムクノキ

学名 Aphananthe aspera
別名 モクエノキ、ムク、モク
椋木 分類 ニレ科ムクノキ属 (落葉高木)
実黒あるいは実木→ムク、樹皮が剥(ム)ける木→ムクなどの説がある。木工の仕上げに、この木の乾燥した葉を使ったことから、「木工(モク)の木」がなまったとも。 原産・分布 本州(関東地方以西)、四国、九州、沖縄、朝鮮、アジア東南部
神奈川県 シイ・カシ帯〜ブナ帯下部の雑木林に生える。丘陵地から低地に広く分布している。
用途 公園樹、建築、器具、楽器材、薪炭材
山地に生えるが、公園等にも植えられる。鳥により種が運ばれるために、都会でも普通に見ることができる。樹皮は灰淡褐色で、縦に小さい皮目が並び、浅い筋となる。老木では、その筋から割れて短冊状の薄片となり、剥がれて落ちる。写真のような姿になる。

横浜市
三つ池公園
040329
ムクノキ幹
成木の根は板根状になることが多い。 幹(地際)

横浜市
港北区
篠原園地
061102
葉は互生し、葉身は卵状長楕円形、葉先は鋭尖頭、葉脚は広いくさび形で、左右不同。縁は鋭鋸歯がある。
表裏共に短い豪毛があり、ざらつく。骨や角細工など柔らかい細工を磨くのに用いられた。


中央区
浜離宮庭園
020529
ムクノキ葉
雌雄同株雌雄異花
新葉が展開してすぐに、葉腋に集散花序を付け、小さな雄花を多数開く。花被片、雄しべともに5個。
雄花

横浜市
港北区
070423
ムクノキ雄花
雄花の開花に少し遅れて、枝の先の葉腋には雌花が、数個付く。写真のように目立たない。花柱は先が2裂し微毛が密生する。 雌花

横浜市
港北区
100505
ムクノキ雌花
実は核果で、11月に黒く熟す。球形で10mm以上あり大きいので、小鳥には無理か。ムクドリやハトなど少し大きな鳥の餌になる。黒く熟してしわの寄った実は、干し柿のようで甘くて美味しい。
★食★オナガキジバトツグミヒヨドリムクドリ、アトリ類
若実

藤沢市
六会
061002
ムクノキ実
種子(正確には)は、葉と同様に表面がざらつく。鳥の体内を通過して散布されるために丈夫な作りになっている。 種子

藤沢市
六会
080104
ムクノキ種子
若枝は、灰色のねた毛がありざらつく。紫褐色で小さい丸い皮目がある。冬芽は平たく、先は尖る。芽鱗は褐色で縁の色が濃い。 冬芽

横浜市
港北区080128
ムクノキ冬芽
展葉したばかりの葉に、さっそく卵がついていた。虫の親は不明。 虫の卵

横浜市
港北区
篠原園地100503
ムクノキ卵
ニレ科の実生は、初めに出てくる本葉はどれも良く似ているが、双葉は個性的。ムクノキは細長い線型。 芽生え

千葉市
若葉区
小倉の森
160519

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