ヒイラギ |
学名 | Osmanthus heterophyllus |
別名 | ||
柊 | 分類 | モクセイ科モクセイ属 (常緑小高木) |
葉に棘があり、触ると痛いので、疼(ヒヒラグ)木と書いた、と言われる。柊の字は略されたもの。 | 原産・分布 | 本州(関東地方以西)、四国、九州、沖縄、台湾 |
神奈川県 | ブナ帯を除き、全域に普通に分布する。植採も多く、逸出もある。 | |
用途 | 庭木、器具材 | |
やや乾燥した丘陵地に多い。 |
樹 藤沢市 六会 (植採) 0070925 |
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樹皮は淡灰色。縦方向の割れ目が菱形状に入る。大きめの丸い皮目が点在する。 材は、堅くしなやかなため、玄のう(大きな金槌)の柄にした。 |
幹 丹沢 不動尻 060129 |
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葉は対生し、葉身は楕円形で、厚くて硬く、表面は暗緑色で光沢がある。若木の葉には、棘状の粗い歯牙がある。老木になると、全縁となる。 →「樹も、年をとると丸くなる」 |
葉 丹沢 不動尻 060129 |
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雌雄異株、雌雄異花。 11月に、葉腋に白い小さな花が束生する。香気がある。雄花、雌花はほぼ同形で、雌花の雌しべは、発達し花柱も長い。 |
花 川崎市 多摩区 (植栽) 041125 |
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果実は楕円形で、翌年7月頃に熟して黒紫色になる。 | 実 横浜市 岸根公園 040411 |
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黄味のある赤褐色。卵形で先が尖る。 | 冬芽 千葉市 小倉の森 160218 |
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こぼれ話 「節分」 「節分」とは雑節の一つで、季節の変わり目(季節を分ける)の意とされた。立春、立夏、立秋、立冬の前日が節分で、もともとは年に4回あった。今は立春の前日だけを特に節分と呼んでいる。 節分の夜に、葉の付いたヒイラギの小枝に、焼いた鰯の頭を差したもの(ヤイカガシと呼ぶ)を、家の門戸に飾る風習がある。ヒイラギの葉の棘と、鰯の頭の臭気により、悪鬼を払うとされている。「鬼はそと、福はうち」と豆を投げる豆まきも、豆には邪気を祓う力があるとされたようだ。 節分に悪鬼が来るのは、季節の変わり目に、陰と陽が対立して邪気が立つと言われた陰陽道の考え。古来中国の考えに基づいているが、豆まきや、ヒイラギの飾りは日本独自の風習だそうだ。写真はスーパーで売っている節分の飾り。 家の庭には、表鬼門(北東)にヒイラギ、裏鬼門(南西)にナンテンを植えると、鬼門除けになる。 |