AKAYAプロジェクト黒炭焼き(2)

3月に、ニセアカシヤの炭材を入れたまま、窯の口を閉じていた。
5月の連休に、3日かけて炭焼きをしたので、2回に分けて連載します。
今回に撮りそこねた作業の写真は、以前撮ったものを使っています。

2006年5月4日 木曜日 晴れ

窯の口に、種火用の細い薪を束ねて置き、着火する。直ぐに燃え上がるので、炎を窯の中に誘導するために、波板でトンネルを作る。


波板のトンネルを掛けるために、鉄筋の鳥居を、窯の口に立てかけてある。師匠の工夫である。

初めの内は、煙の流れが安定せず、口から逆流する。窯の周りは煙くてどうしようもない。

しばらくすると、煙が窯の中を、安定して流れるようになり、煙突からは白煙が、猛烈に吹き出るようになる。

この間は1時間以上かかる。こうなると、窯全体が大きな煙突だ。窯口の熱気が、奥の炭材を熱くする。

炭材に着火したことを示す、煙突の煙。

ものすごく熱く、蒸気でベトベトの煙が吹き出る。この煙の様子を見ながら、以下の手順のための、粘土を用意する必要がある。水分が多めの柔らかい粘土だ。

窯口を閉じるため、波板を取り除き、窯口にある燃えかすをどける。さらに窯口に水をかけ、地面を冷やす。

ここからが忙しい。燃えかすをどける人、水を撒く人、粘土を渡す人などに役割分担する。
(昨年12月の写真)

窯の口に、粘土とブロックで蓋を積み上げていく。一番下は、空気取り入れ口の穴が空く。

窯口から見える炭材は、真っ赤に燃え上がっている。その前にブロックを積むので、熱い。
柔らかい粘土とブロックを交互に積み上げる。ブロックの穴には、適当な石を入れ、粘土で蓋をする。窯口との境は、適当な大きさの石を組み合わせて、粘土だけの蓋にならないようにする。
(昨年12月の写真)

最後の一段のブロックを入れるときが、もっとも火傷をしやすい。狭い口から、炎が吹き出て来る。

風向きによって、瞬間的に炎が吹き出るので要注意。ブロックを窯口最後のすき間に、うまく入れられたら一安心だ。あとは、粘土ですき間を塞いでいく。
(昨年12月の写真)

窯口は、一番下の空気取り入れ口を残して、粘土で覆ってしまう。空気取り入れ口は大きく開けておく。

粘土は、そのうち熱気で乾いて来る。乾くとヒビが入るので、トロトロに水で薄めた粘土を、ひび割れに流し込み、すき間を塞ぐ。これを怠ると、空気が入りすぎて、炭が灰になってしまう。
(昨年12月の写真)

窯口を閉じてから、1〜2時間後。まだ水蒸気の混ざった、白い煙が、勢いよく吹き出て来る。この煙を冷やすと、木酢液ができる。そろそろ、燃焼の速度をゆるめる必要がある。

空気取り入れ口と、煙突を狭くする。煙突は、写真のように、1/3〜1/4の面積になるように。板と重しを乗せる。

空気取り入れ口。親指が1本入る程度まで小さくする。燃焼速度を遅くして、このまま2日間燃やし続ける。

それでも煙突から出る煙は多い。窯全体に、見えないすき間があるのかもしれない。
煙突から出る煙の量を見ながら、口の大きさを、調整する必要がある。






次回に続く

 

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