AKAYAプロジェクト黒炭焼き(1)

赤谷プロジェクトでの炭焼きを、記録しなければ、と思いつつ、なかなかできなかった。
炭窯作りは2006年3月で終り、継続して、その窯を使った黒炭焼きをしている。
炭焼きは、地元の師匠がおられなくとも、原則としてサポータ達だけでできる必要がある。
そこで2006年の炭焼きを、手順に従った形でまとめることにした。3回に分けて連載します。

2006年3月12日 日曜日 晴れのち曇

黒炭の窯は、炭窯を作るときに、捨て材を入れ、窯の形を作る。捨て材には、スギの徐伐材など、本来、炭にはならないような材を使う。


スギの炭ができた。捨て材にしては、良いできだった。窯のできが良かったのだろう。

窯の中に、粘土で目張りをし、最後に火を焚き、乾燥させる。

これから炭焼きの初回である。赤谷プロジェクトいきもの村に生えていた、ハリエンジュを去年の冬に伐採し、物置に積んでおいた。初回の炭材は、ハリエンジュである。

いい加減に伐木した材なので、長さも太さもまちまちだった。まず、その調整をする。太い材は斧(よき)で半分にする。
この斧さばきに熟練が必要だ。

揃えたハリエンジュの炭材。

太さは最大で10cm程度にする。長さは、窯の高さによるが、僕らの窯は90cmで揃える。

窯の中に、初めは二人くらい入り、材を詰めていく。外の人は、バケツリレーで、次々と材を送る。中が狭くなったら、一人になり、詰め続ける。

原則として、材の太い方を上にして、窯の奥から縦に詰める。材の曲がりやデコボコを、うまく組み合わせながら、すき間無く詰める。
すき間があると、酸素が多くなりすぎ、炭にならず灰になる。

窯の上部はドーム形になっているので、その空間にも材を詰める。

炭材は、長さや形の揃ったものばかりでなく、半端なものも、この時に必要になる。半端なサイズは、あちこちに使うので、多めに用意しておくと良い。
立てて詰めた炭材の、長さが揃っていると、この時にやりやすい。炭材作りの時から、炭のできは決まる。

窯の口まで詰めた材。口周辺には、焚きつけ用(最後は燃えてしまう)にスギ材を使った。


この日には、火入れをしないので、炭材を詰め終わると、窯の口を閉めた。

今回の赤谷の日は、窯の完成までで、次の火入れは次回となる。
黒炭焼きは、この間合いの取りかたを、自由にできるところが特徴だ。白炭ではそうは行かない。一度火を入れたら、炭を焼き続けなければ、効率が悪い。白炭は専業炭焼き、黒炭は兼農炭焼きができる。




次回に続く

 

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