二宮竹の里竹紙制作(4)

竹紙制作レポートの,とりあえずの最終回です。
試行錯誤の末、紙漉き工程まで実施することができました。竹紙制作リーダーMさんの、執念の結果です。
MさんとKさんは、少量の竹繊維を持ち帰り、自宅で紙漉きまでトライし、水先案内をしてくれました。
Mさんの目標は、この竹紙で年賀状を出すことでした。
来春、変わった紙の年賀状が来たら、おめでとう、とお祝いの返事を出してあげて下さい。

2006年9月24日 日曜日 晴れ

紙漉きの始まり。はがき大の漉き道具が使いやすい。これは市販品。紙漉き枠一杯に、ムラなく繊維が乗るようにすくい取る。

水をよくかき混ぜ、竹の繊維を浮かせ、漉き枠の上に浮遊して来るようにすることがポイント。1回で、ある程度の量の繊維が乗らないとダメ。ムラがあったり、薄かったりしたら、もう一度初めから。

よく水を切ったら、乾かすためのさらしの布の上に、張り付ける。裏の網を剥がすのが難しい。よく水分を、取り除いてから、そっと剥がす。


さらしの布もMさんの工夫。板の上に新聞紙を置き、その上にさらしを敷く。持ち運び性と水切れ性を考慮した乾燥セット。これを沢山用意しておくと便利。

紙の上に、押し葉などを乗せた場合は、その上から少量の繊維を、振りかける。これも意外と難しい。

乾燥セットの上で良く水を切る。繊維が紙として独立していないと、漉き道具のネットに絡まって、うまく剥がれない。

漉いた紙を乾す仕組みが必要。場所を取らずに、多くの紙を乾したい。

プリントゴッコで年賀状を印刷すると、よく床に印刷物を広げて、乾かすことになる。同じ悩みである。

親子参加のNさんチーム。葉っぱの飾りを上手に入れていた。

これはサンショの実と葉。色合いはクリスマスの飾りのよう。この上から繊維を絡めて、実を固定するのは難しかった。

紙漉きを何回もすると、溶かした繊維が少なくなり、薄い紙しかできなくなるので、ときどき水溶液を濾して、繊維の濃度を濃くする。

この後、天火乾燥、アイロン乾燥、鍋底乾燥などいろいろな方法で乾かした。

私の作品。


厚く、かつ厚さを均一に漉くのが、難しいようだった。まだ繊維が長い(大きい)のだろう、縁がきれいにおさまらない。

仲間のIJさんが、絵を描いてみた。何やら、とても良い雰囲気だ。

同じくIJさんが、A4サイズに漉いた紙を使って、スタンド(行灯)を作ってみた。ファンタスティックだ。


竹紙は、紙として使うよりも、こうした装飾品に向く、と言う評もあるらしい。確かに。
二宮竹の里では、紙漉きを継続して実施している。とりあえず、今年の竹紙制作レポートを終えます。

 

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