確定深刻(申告)
2月の半ばを過ぎると、家の近くにある税務署の前に車の列ができる。
まるで日曜日の家電量販店の前のような車の行列である。
こんな事はサラリーマン時代には知らなかったし、そもそも関係無かった。
この2月に、3回目の確定申告をする。
確定申告をする理由には、大きく3つあることを、脱サラ後に知った。
1つ。給与所得についての年末調整をしなかった場合。
2つ。給与所得の他に一定以上の収入があった場合。
3つ。給与所得がなく、それ以外の収入があった場合。
脱サラ後の3年間で、3つの理由それぞれで確定申告を行った。
一昨年は1つ目の理由(特に還付申告)だった。
退職金から源泉徴収されていたため、結果として数十万円の税金の払い戻しの恩恵に預かった。
昨年は、2つ目の理由。造園(給与収入)の他に収入があり、数千円の追加の税金を取られた。
今年は、給与所得もあるがホンの微小で、O園の手伝いも給与外、つまり源泉徴収されていない収入であった。
確定申告は、つまり自営業の人、年金生活の人の所得税を確定させる手続きである。
ちなみに申告における収入はその前の年の収入である。また、地方税はこの申告をベースに計算される。
確定申告は面倒くさいと言う印象がある。
僕の場合は、還付申告で税金を返してもらえる、と言う嬉しいお薦め(税務署の)があり、喜んで確定申告をした。
翌年からは、なんとなく義務感から(根はまじめなのだ)申告をしている。
確定申告を3年経験し、感じたことをこれから書く。誤解などあったら教えて頂きたい。
まず確定申告は性善説が基本スタンスだと言うこと。
2回目の申告で、不足分の所得税が○千円、という申告書を持って税務署に行った。
いろいろうるさい検査があった上で、納税手続きかと思っていたら、その場で納付書を渡された。
申告書のチェックは、記入不備が無いかどうかだけだった。
申告書を郵送した場合は、自分で金融機関に行き、申告額の納税をする。税務署から返事は無いらしい。
考えてみれば当然で、申告書全てを逆上って検査していたのでは、職員がいくらいても足りないだろう。
自分で申告した金額をそのまま納付する、というのが通常手続きだった。
それでは悪人は、脱税をしたい放題か、と言うと、そうでもないのだろう。
確定申告後に、いわゆるサンプリング検査や、ブラックリストに基づく検査、
異常数値(売上に対し所得が小さいなど)の検査、僕らに分からないような手管でチェックをしているのだと思う。
サラリーマン時代に、6月頃、昨年のお嬢さんの収入が130万なので、扶養家族にならない、
と言う連絡があり、追徴金を取られたことがある。娘のバイトは知っていたが、そんなに稼いでいるとは知らなかった。
全サラリーマンの扶養家族のチェックを、いつもやっているのだろうか。
感心すると同時に、何か空恐ろしい感覚を覚えたことがある。
2つ目、以前も書いたが、サラリーマンでなくなった年の確定申告は必ずすること。
サラリーマンでなくなった年の年末調整は、当然だが実施できない。12月の所得税は、普通でも少ない。
ましてや退職金の源泉徴収で、多額の所得税を納めた場合には、思いもかけない返金がある。
つまり、基礎控除、扶養控除、配偶者控除、社会保険控除などすべての控除が、この時に有効になるのだ。
3つ目、他の役所とくらべると、結構IT化が進んでいるのだと言うこと。
税金を払い易くすることなら何でもします、と言う姿勢を感じる。社会保険庁とはえらい違いである。
ネットで申告書がほとんど作成できる、申告に関する資料は全てネットで手に入る、
さらには、事前登録をすれば、申告書の提出、納税までがネットでできる。
基本的に、確定申告のために税務署に行く必要は無いようになっている。
もちろん税務署に行けば、この時期は特設会場が用意されていて、懇切丁寧な指導のもとに申告書の作成ができる。
念入りなことに、今年は1月末には、申告書の用紙が送られてきた。
ひょっとすると、僕のような少額納税者にとっては、納税額以上の納税推進策となっているのかもしれない。
サラリーマンは知らないけれど、国民的行事なのだな、と思う。
僕は、今までは白色申告をしてきた。
いわゆる一般的な所得税の申告である。年金生活をしている人はこれになると思う。
一方、個人事業を営む人は青色申告をする。青色申告では、正規の簿記により金銭の出入りを記録する必要がある。
その面倒くささの代わりに、青色申告なりの控除やメリットがあるらしい。
来年の申告を青色でするかどうか思案中である。
(2005.2.11)