愛すべき虫の仲間たち

 

この仕事をしていると、いつもいろいろな虫と接近遭遇する。

虫と言っても巾が広い。例えば足の数で分類すると、6本ある「昆虫」の仲間から、

8本のクモ、ダニ、あまり数える気がしないダンゴムシ、もっと多いムカデ、ヤスデ、

一方、足の無いミミズ、ナメクジ、よく分からないミノムシなどなど。

蛾の幼虫の毛虫類の足は8対16本ある。

 

益虫、害虫という言葉がある。

これも誰を主人公にするかで、白黒が変わることは皆さんご存知のところ。

本来は、人が主人公で、野菜をつまみ食いする虫は害虫で、害虫を食べる虫は益虫のはず。

だけど普通の人は、モンシロチョウは可愛そうと言うが、クモを可愛そうと言う人は少ない。

本当に人は、主観的な動物だ。

 

造園業では、夏場は草刈りが主な仕事になる。

先日、刈り取った草の回収廃棄の仕事を依頼された。

干し草の山は大きく3山、結局は2tダンプに3回分、総量2tのゴミだった。

梅雨のさなかのため、枯れ草は堆肥になるための発酵が始まり、重く、臭く、かつ虫の巣窟だった。

作業を初めてすぐに体中がチクチクはじまり、枯れ草を担ぎ上げた後に首筋に痛みを感じた。

 

首筋は、その後の腫れ具合からムカデが咬んで行ったのかと思う。

そもそも枯れ木や草が堆肥になる、と言うことは虫たちがいて始まることである。

ムカデは、ミミズと同じ土を作る虫である。山の神としても、よく祭られている。

ムカデやミミズなどの土中生物が枯れ草を細かくかみ砕いた後、菌類(カビ、キノコ)が分解する。

有機物(植物・動物)を分解、発酵する生物がいないと、地球はそれらの死骸だらけになってしまう。

 

この初夏の頃、生まれて初めてアシナガバチに刺された。

ちょうど巣作りの最中に、その枝を切り落としてしまったらしい。

瞬間的に腕に痛みが走り、ハチだと気がついた。ハチは1匹で、それ以上は攻撃してこない。

アシナガバチの毒はそれほど強くなく、1日置いて腕が腫れた。

ハチの反射的な攻撃は、確かに黒っぽいものに向かって、正確に無条件に行なわれるようだ。

しかし、少なくともアシナガバチは好戦的ではない。近くにいるだけで刺されたことは無い。

 

むやみにと言う意味ではチャドクガが厄介だ。

成虫は、白い小さな蛾だが、羽などに毒を持つ。普通、幼虫(毛虫)の毛の毒に、大人も子供もかぶれる。

長さ1cmにも満たない毛虫の毛なので、刺されたと言う意識は無い。

近づいただけでかぶれる人もいるが、僕は明らかに毛に触れない限りはかぶれない。

 

が、厄介なのは死んだ毛虫の毛でもかぶれるということだ。

だから、見つけたら薬で防除するのでなく、バーナーで焼いてしまえと言う人もいる。

チャドクガとは茶の木が好きな毛虫である。だから、ツバキ、サザンカ、チャノキに発生する。

おまけに年に2回以上も発生する。5月と梅雨開け、さらに暑ければ残暑のころ。

こいつは確かに害虫だ?!。

 

この仕事をしていると益虫も害虫も、

草や樹木と一緒くたにして、抱き抱えているみたいなものだ。

そう、自然は「きれい」ではない。人の主観での「きれい」、「きたない」を通り越した自然を

いや自然の一部をそのまま抱き抱えなければ仕事にならない。

そこが気に入っている。

 

 

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