ナギ

学名 Podocarpus nagi
別名 チカラシバ、ベンケイノチカラシバ、センニンリキ、センビキ
竹柏(中)
分類 マキ科マキ属 (常緑高木)
ナギの語源は不明。
葉の繊維が丈夫のため、別名がいろいろある。
原産・分布 本州(紀伊半島、山口県)、四国、九州、沖縄、台湾、
神奈川県 自生は無い。神社に植採されたものが、逸出したものがある。
用途 庭木、境内木、家具、器具材、床柱
暖地の山中に自生し、幹は直立し大木になる。
写真は、熊野三山の一つ、速玉大社のナギの巨木。平重盛の手植えと伝えられ、樹齢1000年と言われている。ナギは熊野権現の御神木になっている。
巨樹

和歌山県
新宮市
速玉大社
060914
樹皮は緑色を帯びた暗灰色で、鱗片状に薄片が剥がれ落ち暗褐色の丸い紋様ができる。
材は水に強く、家具や器具に使われた。また樹皮付きの材は、床柱にした。


神奈川県
大磯町
高来神社
070406
葉は対生する。葉身は楕円状披針形あるいは卵状楕円形、両面とも無毛、縁は全縁。写真のように中央脈が無く平行脈である。イチョウなどと同じ裸子植物で、いわゆる広葉樹(被子植物)の葉とは異なる。 枝葉

神奈川県
二宮町
(植栽)
040710
雌雄異株。花は5〜6月に咲く。
雄花序は、前年枝の葉腋から1つでて、2〜3分枝する。白い粒が葯
雄花

神奈川県
二宮町
(植栽)
050522
雌花は、前年枝の葉腋から出る短枝につく。 雌花

神奈川県
二宮町
(植栽)


050514

050522
ナギの果実は球形で、粉白色を帯び、青緑色。種子は11月頃に熟す。 若実

神奈川県
二宮町
(植栽)
040822
古い葉や、弱った葉は落ちる前に、黄葉するようだ。葉の中央部が黄変するので、奇妙なような、綺麗なような・・。 黄葉

和歌山県
新宮市
060914
こぼれ話
ナギの名が、海の凪(ナギ)に通じることから、航海の平穏を祈るご神木となっていることが多い。
また、別名がいろいろあるように、葉を葉脈の方向に引っ張ってもなかなか切れない。この強い葉から、男女の仲を結び付ける力も強いと信じられ、昔は鏡の底にナギの葉をいれ、夫婦の縁が切れないよう、離れていても忘れぬよう、と願ったとか。

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