モクレイシ

学名 Microtropis japonica
別名
木茘枝 分類 ニシキギ科モクレイシ属 (常緑小高木)
茘枝は、中華フルーツのライチのこと。ライチは、ムクロジ科で本種とは異なる。話は複雑で、長くなるので「こぼれ話」(下欄)参照。 原産・分布 神奈川県、千葉県、伊豆半島、伊豆諸島、九州、沖縄。台湾
神奈川県 大磯丘陵、渋沢丘陵に分布
用途 特になし
海岸近くの林に生える常緑樹。
本州での自生の分布は限られる。神奈川県西部(大磯丘陵、渋沢丘陵)、伊豆半島、房総半島南部(これは誤情報かも)、伊豆諸島など。神奈川県平塚の近くの、高麗山が自生地として有名。何かの理由で隔離分布した南方系樹木と思われる。


神奈川県
二宮町
050330
モクレイシ樹
樹皮は灰褐色で、なめらか。


神奈川県
高麗山
070406
モクレイシ幹
9月に芽吹きを観察できた。
新芽

神奈川県
高麗山
070923
モクレイシ幹
葉は対生し、革質で縁は全縁、楕円形または卵形。先は鈍頭で時に微凹端。基部は鋭尖形で葉柄に連続する。側脈は不明瞭。
写真でお分かりのとおり、シャモジかスプーンのような形をしている。また葉の付き方は、見事な十字対生である。


神奈川県
二宮町
050227
モクレイシ葉
雌雄異株
雄木には雄花が、雌木に雌花が咲く。ともに3〜4月に葉腋に緑白色の、小さな花を持つ。花弁は5枚。雄花には雄しべが5つで目立ち、退化した雌しべがある。雌花より全体的に大きい。
雄花

神奈川県二宮町
050227
モクレイシ雄花
雌花は雌しべが一つ見えるだけで、雄しべが見えない。
花言葉 不明。
雌花

二宮町
吾妻山公園
060227
モクレイシ雌花
名前の元になった実。刮ハで、写真は熟して2裂したところ。中の赤い部分は仮種皮で、種子はその中。ニシキギ科の多くは種子に果肉状の仮種皮を持つ。

二宮町
吾妻山公園
060122
モクレイシ実
こぼれ話 ライチ
モクレイシとは、ツルレイシに対して付けられた名である。ツルレイシとはニガウリのこと。モクレイシは、果実が割れ赤い種子が見えるのが、ニガウリが熟し種子を出すところと似ているので、ツルに対してモク(木)と名付けられた。またツルレイシの名の由来は、実の表面が凸凹で、ライチと似ているから、とか。
ライチ(レイシ) > 実がデコボコ > ツルレイシ(ニガウリ) > 種子が赤い > モクレイシ、と言う三段論法の結果がモクレイシである。
写真はニガウリの実と、熟した実が種子を出すところ。誰がモクレイシの名をつけたのだろう。

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