カラスザンショウ |
学名 | Fagara ailanthoides |
別名 | アコウザンショウ、イヌダラ、コメダラ、ヤマザンショウ | |
烏山椒 | 分類 | ミカン科イヌザンショウ属 (落葉高木) |
サンショウに比べ、木も葉も実も大きいので、カラスが付いた名。カラスが実を好むためについたようでもある。棘が多いので、タラノキになぞらえた地方名が多い。 |
原産・分布 | 本州、四国、九州、沖縄、小笠原、朝鮮南部、中国、台湾 |
神奈川県 | 山地上部を除き、全域に分布する。 | |
用途 | 特になし。 | |
沿海地から山地に生える。河原、崩壊地、伐採跡地などに、初めに生える先駆植物。先駆植物の中では林冠を占める高木になる。 和歌山の伐採跡地で、カラスザンショウが一斉に発芽、成長していて地拵えに苦労したことがある。 |
樹 丹沢 丹沢湖 040718 |
|
幹や枝に棘が多い。樹皮は灰色で、縦に皮目のすじが多い。棘は、幹が太くなっても残る。 | 幹 丹沢 丹沢湖 040718 |
|
新芽は光沢があり、赤味を帯びる。若い枝にも鋭い棘がある。 | 新芽 厚木市 七沢森林公園 080420 |
|
葉は、長さ80cmになる、大型の奇数羽状複葉で、互生する。小葉は6〜11対で、葉身は広披針形。縁には低い鈍鋸歯がある。 ミカン科を好むアゲハチョウの山野での重要な食樹。 ★食★ナミアゲハ、クロアゲハ、カラスアゲハ、モンキアゲハ |
葉 丹沢 塩水川 050816 |
|
雌雄異株。7〜8月、枝の先に散房状に集散花序を数個つける。花序には淡緑色の小さな花を多数つける。 写真は雄花と思われる。 |
花 丹沢 丹沢湖 040718 |
|
年によって綺麗に黄葉するようだ。 | 黄葉 横浜市 港北区 篠原園地 101124 |
|
果実は乾果(袋果)で紅紫色。果実は3分果からなる。熟すと皮が裂け、黒い種子が表れる。 先駆植物の割に種子が大きい。被食散布とされる。美味しそうには見えないがいろいろな鳥が好むらしい。特にメジロが多い、カラスもついばむ。 ★食★ツグミ、キビタキ、メジロ、カラス |
果実 丹沢 日陰沢 071118 |
|
種子は3mmほど。黒色で光沢があるが細かい皺が多い。 採食する鳥は何を目当てについばむのかよく分からない。果皮に栄養があるとは思えないので、種子を消化できるのではないか。 |
種子 横浜市 篠原園地 071128 |
|
一年枝は太く、緑〜暗紫色で無毛、棘が散生する。冬芽や葉痕のため、デコボコした感じになる。 皿状に大きくえぐれている部分は葉痕。葉が大きいので、葉痕も大きい。冬芽は半球形で、枝と同色。芽鱗が3枚あるため割れ目が見える。 |
冬芽 神奈川県 二宮町 060122 |
|
葉痕は丸みのある三角形。維管束痕が3つで目と口に見える。上にある冬芽はおでこか角か、いろいろ想像できて楽しい。 | 葉痕 和歌山県 田辺市 080224 |