イヌザクラ

学名 Padus buergeriana
別名 シロザクラ
犬桜 分類 バラ科ウワミズザクラ属 (落葉高木)
イヌは、一般的につまらないもの、役にたたないもの、あるいは毛の多いものを指す。サクラについては、ヤマザクラを参照。 APG分類 バラ科ウワミズザクラ属 (落葉高木)
原産・分布 本州、四国、九州、済州島
神奈川県 丹沢、箱根のブナ帯、および沖積地を除いて広く分布する。
用途 特になし
山地に生え、樹高は10〜15mになる。
神奈川県内にも広く分布する、とあるが個体数はそう多くはないような気がする。樹皮も葉もあまりサクラに似ていないので、花が終わると、普段は気づかないのかもしれない。


厚木市
七沢森林公園
080420
イヌザクラ樹
樹皮は暗灰色でやや光沢があり、細かな凸凹は多いが横に楕円形の皮目が並ぶのが分かる。他と識別できる明確な特徴が少ない。
サクラの仲間と比べると白味が強く、横の筋が目立たない。下の写真のようになると蘚苔類が付着して樹皮の特徴が分からない。
若い幹

上野原市
秋山
150601
成木幹

厚木市
七沢森林公園
080420
イヌザクラ幹
老木幹

丹沢
三ケ瀬川
080822
葉は互生し、葉身は長楕円形で先は鋭頭、脚部はくさび形、質は洋紙質。縁は細鋸歯縁。
両面ともにほぼ無毛、葉柄も無毛。
一般的なサクラの葉の印象より細長く、どちらかというとモモの葉のようだ。


横浜市
青葉区
070602
イヌザクラ葉
葉表

横浜市
青葉区
070602
葉裏

横浜市
青葉区
070602
花は、4月下旬〜5月中旬。葉の展開後に薄黄緑色の花を多数つける。花の数は多いが、その色と大きさからかあまり目立たない。
前年枝から6〜10cmの総状花序を出す。一つの花序に20〜40個の白い花をつける。花弁は5枚、雄しべが10数本ある。写真では分かりにくいが小さな三角形の萼片が花弁の間にある。雄しべは長く花弁は2mmほど、黄色い花床が目立つ。
花序の柄の基部に葉が無い点が、よく似たウワミズザクラとの相違点。
花言葉「淡泊、純潔」
花の枝

厚木市
七沢森林公園
080428
イヌザクラ花


厚木市
七沢森林公園
080420


厚木市
七沢森林公園
080428
イヌザクラ花
花拡大

厚木市
七沢森林公園
080428
花後

丹沢
三ケ瀬川
090531
核果は卵円形になる。10月頃には赤黄色〜紫黒色に熟す。
花の数が多い割に結果は少ない。写真上は花序軸が目立つが実はほとんどついていない。仲間のウワミズザクラが秋には赤い実を多く実らせるのを目にするが、本種の赤い実はあまり見たことが無い(写真下)。
花後

厚木市
七沢森林公園
080530
イヌザクラ若実
若実

横浜市
青葉区
070602
イヌザクラ若実


丹沢
三ケ瀬川
080822
イヌザクラ若実
冬芽は紅紫色でつやがある。卵形で先はとがる。
若い枝は灰白色。
冬芽

茅ヶ崎市
里山公園
090215
イヌザクラ冬芽
芽吹きは葉芽と花芽が混ざる。 芽吹き

上野原市
秋山
190409
イヌザクラ冬芽

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