イヌシデ

学名 Carpinus tschonoskii
別名 ソロシデ、ソロ、ソネ
犬四手 分類 カバノキ科クマシデ属 (落葉高木)
四手(紙垂)とは、しめ縄や玉串などに垂れ下がる、細長く切った紙のこと。果穂を四手に見立てた。「イヌ」は一般的に、役に立たないもの、あるいは毛の多いものをさす。 原産・分布 本州(岩手県以南)、四国、九州、朝鮮、中国
神奈川県 県内、ほぼ全域に広く分布。
用途 建築・器具材
山野に普通に生える。樹高は20mほどになる。イヌシデは燃えにくく薪には適さないため、薪炭林には少なかったが、近年の雑木林では主要な樹種になっている。
樹皮は灰白色でほぼ平滑、縦に模様ができる。老木になると、浅い裂け目ができる。シデの中では、樹皮の縞模様が鮮明で、見分けやすい。


横浜市
舞岡公園
040215
イヌシデ幹
葉は互生、葉身は卵形あるいは狭卵形で、基部は円形。表面には全体に毛があり、裏面には葉脈上に残る。葉先は鋭頭、葉脚は広いくさび形になる。縁は細かい重鋸歯がある。
他のシデ類との比較では、側脈が12〜15対なので、12本以下があればアカシデ、15本以上になればクマシデと判断してほぼ間違いない。


丹沢
塩水沢
050515
イヌシデ葉
花は、4〜5月に、新芽の展開と同時に咲く。雄花序は、前年枝の葉腋から下垂する。黄褐色で4〜5cmの穂状になる。花が終わると、大量の雄花序が落下する。 雄花

八王子市
森林科学園
050409
イヌシデ雄花
雌花序は、本年枝の先の新芽の中に出る。 雌花

八王子市
森林科学園
050409
イヌシデ雄花
シデの名の元になった果穂。クマシデ属は全て、類似の果穂ができる。
イヌシデは比較的、果苞が少ない。
若果穂

神奈川県
大磯町
050813
イヌシデ果穂
一年枝は細く、若い木は毛が密生する。冬芽は芽鱗が4列に並び、断面は四角形になる。 冬芽

丹沢
塩水沢
050320
イヌシデ冬芽
子葉は小さく5mm前後、濃緑色で基部に凹みがある。杯軸から柄にかけて細かい毛がある。 芽生え

千葉市
小倉の森
140417
冬のイヌシデを、特徴づける虫こぶ。冬に梢を探すと、ほぼ確実に見つかる。
イヌシデメフクレフシと呼び、ダニの一種により形成される。頂芽の鱗片が肥大し、芽が松かさ状に大きく膨らんだもの。頂芽にしかできないのが不思議だ。
冬の虫こぶ いろいろ
虫こぶ

川崎市
050110
イヌシデ虫コブ

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