キアシドクガ
分類 | 昆虫 | 鱗翅(チョウ)目ドクガ科 |
名前(漢字、学名) | 黄脚毒蛾 | Ivela auripes |
神奈川県での分布 | 。 | 。 |
出現期、場所 | 5月~6月 | 昼行性。食草(ミズキ)の近くを舞う。 |
越冬 | 卵 | |
関連生き物 食物連鎖 |
天敵 | 食虫の鳥類や昆虫、クモなど |
幼虫食草 | ミズキ、クマノミズキ | |
成虫食餌 | 口吻が退化し食物を摂取しない。 |
サナギの殻につかまる羽化直後の成虫。
成虫は、ガと呼ばれるチョウ目の中では美しく、昼行性とあわせてチョウと言ってもおかしくない。全身が白く足が黄色いので名前がついた。
上野原市秋山 170606
ドクガの名はあるが、幼虫から成虫まで毒をもたない。ドクガ科に分類されているための名。
専らミズキの葉を食べる。ミズキ以外にはクマノミズキも食べるが、ミズキ科のヤマボウシやハナミズキなどは無傷なので、かなり好き嫌いがはっきりしているようだ。
上野原市秋山 180519
ウツギの葉についた蛹。専らミズキを食べる幼虫だが、蛹はいろいろな樹で観察される。何故?どうやって移動するのだろう。
横浜市港北区 070527
口吻の無い成虫は、数日の短い間にミズキの幹上で交尾、産卵する。この際ミズキの周りを、昼間に飛び回るのでシロチョウが群れているように見える。シロチョウの仲間は小さな野草を食草とするので、キアシドクガのような高いところは飛ばない。
上野原市秋山 170612
しばしば大発生しミズキの葉を食べつくす。
2015年ころから神奈川県北部から山梨県上野原市にかけて大発生しているようだ。写真は新緑の中で丸坊主のミズキ。このあたりの10本ほどのミズキ、クマノミズキは全部丸坊主になった。
日本の各地で異常発生の報告がある。10年ほど前に目黒の自然教育園周辺で起きていて、この時は約6年で発生が終息したとされる。ここ上野原市では、まだ数年続くのかもしれない。
上野原市秋山 180522
低い位置にある葉は比較的食害が少ないのか、このミズキの葉は無残に食い散らかされてはいるが、半分ほどは残っている。
キアシドクガは年1回の発生であり、ミズキはこの後再度芽吹き葉を出すので、そのまま枯れることはない。しかし樹勢は弱まる。大発生の期間が長引くと枯れる可能性はあるだろう。
上野原市秋山 180522