AKAYAプロジェクト木の実の豊凶調査(2)

豊凶調査の、標準的なトラップに関する情報を探すと、
筑波の森林総合研究所が、いくつかの学術誌などに、制作方法をていねいに書いていた。
トラップ口の面積を0.5uにすると、統計的な処理をやりやすい。
0.5uの円を描くには、半径は40cmで、円周は約2.5mになる。
また、トラップの材料がなかなか見つからないので、森林総合研究所に電話をしてみると、
ていねいに販売会社まで教えてくれた。
さっそく注文し、赤谷への送付を依頼した。
2006年は、仕切り直しをし、対象樹木の選定、トラップの制作、調査を再度おこなった。

2006年4月1日 土曜日 晴れ ロケーションハンティング
今年は、雪が多かった。ミズナラやブナの対象木は、いきもの村より奥に入らないと無い。雪の中を、ハンティングした。写真はミズナラ。
手分けをして、ナンバータグ打ち、目通り寸法測定、樹高、樹冠径計測、GPS位置情報取得、記録を分担し、手際よく進める。


大きなトチノキがあり、候補に加える。

後から考えてみれば、少し無謀だったような気もする。まず葉が無いので、ミズナラが後で見ると、コナラになったりした。
それとGPSの値を、それほど確認をしなかったので、実際にトラップを掛ける時に、対象を見失うことがあった。周りの風景が変わると、GPSだけが頼りになる。
いきもの村周辺では、さすがに雪は消えていて、まったく異なる世界のようだ。コナラのハンティング。




今回のロケハン・スタッフ。
2日間で、合計20本の対象木を選定し、データを採った。


2006年5月14日 日曜日 曇り トラップネット作り
一間巾の反物の寒冷紗を用意し、1.3m長に切った。これを2つ折りにし、両脇を5cmづつ合わせれば、深さ90cm、口径周囲2.5mのネットの袋ができる。口にポリエチレンチューブを通すために、写真のように折り返しを付けた。

6月の赤谷の日にトラップをセットできるように、購入した寒冷紗を自宅に持ち帰り、家のミシンで縫ってみた。
口金部の折り返しを縫う。

家庭用のミシンで意外とスムースに縫製できた。だが、さすがに11個縫うと、うんざりする。
完成したトラップ。
2006年6月4日 日曜日 曇り トラップネットのセッティング
たくみ小屋で、トラップの組み立てをする。購入したポリエチレンチューブは、100m。これを2.5mの長さに切り、ネットに通したあと、細いチューブで接続する。

森林総研推薦のチューブは、かなり柔らかい素材だった。その分加工がやりやすい。
意外と難なくできた。ネットもさまになっている。

組み立てた11個のトラップネットを持って、4月にハンティングした木のところへ行く。
支柱3本を立て、針金で結び付ける。支柱は、園芸用のパイプ支柱だが、イボイボが付いていると、針金の結びがやりやすい。

いきもの村のコナラの大木。何が入るか、1カ月後が楽しみである。
トラップの上の樹冠の写真。

4月の写真がウソのような樹冠。写真を撮っておくように言われた。撮ってみると、変化がよく分かるが、この写真の整理が結構面倒である。

 

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